■4月13日■
グランドフィナーレの
シークレットパーティ。
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思い起こせば、2003年の秋。
伊賀大介さんと糸井重里darlingは、
はじめて出会いました。
「岡本太郎のTシャツをつくろう」
と言い出したときには
まさかここまでのものになるなんて、
(もしかしたら、TAROは
わかっていたのかもしれませんが)
誰も予想していませんでした。
●TAROを好きなアーティストのみなさんに
岡本太郎に捧げるTシャツをつくってもらう。
●伊賀さんがひとりひとりに会ってお願いし、受け取る。
●「ほぼ日」を通じて8982(爆発)円で販売する。
収益はメキシコで発見された壁画「明日の神話」を
日本へ運搬する費用に充てる。
●原宿でTシャツ展を開催する。
●Tシャツ展が全国をまわる。
●川崎市岡本太郎美術館で、
TARO作品といっしょに並んで展示される。
2年越しの、このTARO-Tシャツプロジェクトは、
こうしてグランドフィナーレを
迎えることになりました。
ここで、Tシャツをデザインしてくれた
アーティストのみなさんをはじめ、
Tシャツ展や「ほぼ日」のコンテンツに
協力してくださったみなさんが
川崎市岡本太郎美術館に集まって、
打ち上げをすることになりました。
2005年4月9日、桜が満開の土曜日。
この日は川崎市岡本太郎美術館で
伊賀さん、敏子さん、糸井darlingの
最後のトークイベントが行なわれた日でもあります。
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整理券は、またたくまに配付が終了しました。
間に合わなかったみなさん、ごめんなさい。
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おなじみの3人のトークも、これが最後かも?
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伊賀さん
「結局、企画が立ちあがって
Tシャツがすべて完成するまでは
1年くらいかかりました。
だって、Tシャツをつくったのは約100組ですから、
まずは100人の人と会わなきゃいけないんですよ。
『TARO好き? じゃTシャツつくる?』
って、ナンパみたいにして頼んだ人もいました。
そのうち、仕事で出会った人と
ちょっと話をするだけで
『あ、この人はTAROが好きそうだな』
って、わかるようになっちゃって。
それで、頼むときはいいんだけど
受け取るときにね、
『俺はいかにTAROを思って
このTシャツをつくったか』
というのを、ひとりひとりが力説するんですよ。
それ×100ですからね。
だいたいみんな、しめ切り守んないし。
TAROにみせて恥ずかしくないものを、と思うと
全員、力が入っちゃうんですよ」
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糸井darling
「Tシャツ展は、ラフォーレ原宿だけの予定だったけど
全国をまわっちゃって、
Tシャツを買ってくれた人たちにお渡しするのが
どんどん延びちゃったんです。
展覧会が増えるごとに、Tシャツを買った人たちに
『お渡しするのが遅くなってもいいですかー?』
というメールを出したんですけど、そのたびに
『いいですよー!』
『いいですよー!』
という返事が、気持ちよく返ってくるんです。
あれはすごいな、と思った。
だって、個人の所有物なんだよ? あれ、全部。
それこそ、岡本太郎の言っていた
芸術はみんなもの、みんながやって、
みんながみるもの、ということを、
もしかしたら実現できているんじゃないか、
と思った。
所有物を外に出して共有するということや、
なにもかもが食うためのものではないことなど、
芸術や文化は、やっと
岡本太郎の言っていた段階に
入ってきているんじゃないかな」
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敏子さん
「岡本太郎は、ずっとそのことを言ってきましたからね。
講演会で学生から
『芸術ではメシは食えないじゃないですか』
と言われたことがあったのよ。
実際、そのころ岡本家にはほんとうにお金がなかった。
でも太郎さんは、こう言ったの。
『君、食えないのか。だったら俺のところに来い。
ライスカレーの一杯くらい食わせてやる』
ってね。
芸術は食うためのものではない、
というレベルじゃなくて、太郎さんは
『食ってやらない!!!』
と、断固として、本気で思っていたんだから。
メキシコから壁画をもうすぐ日本に運ぶんだけど、
お金はないのよ。
でも、はじめちゃうのよ、とにかく。
どうやって食っていけばいいのかを
こちょこちょ考えずに、
とにかく、やっちゃえばいいのよ。
いい? 『食ってやらない!!』のよ、みんな!」
さて、トークイベントが終わり、夕方になって
美術館もクローズとなりました。
そろそろ打ち上げパーティのはじまる時間です。
TARO-Tシャツのアーティストのみなさんが、
ぞくぞく美術館にやって来ましたよ。
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照れくさそうに
打ち上げパーティの挨拶をする、伊賀さん。
ご招待したアーティストのみなさんには、
「TARO&TOSHIKOペアTシャツ」を
シークレットプレゼントとしてご用意しました。
おお、さっそく着用の、
アーティストの森川雅代さん。イカスー!
ふるまわれたワインは、岡本敏子さんの差し入れ。
そして、ソフトドリンクは
この「なんだ、これは!」のページを
開始当初からずっと支え続けてくれた
キリンビバレッジさんからの差し入れです。
みんな、じゃんじゃん飲んでいます。
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伊賀さんも、敏子さんもうれしそう。
アーティストのみなさんも、なんともいえない、
ほんとうにいい顔です。
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おお、田島貴男番長ではないですか。
「とうとう買ってくれた人のところに
Tシャツが、行くんだね。
お待たせしました、おめでとう!
あれ、着てね。上から色塗っちゃっていいからね」
もっと濃ゆくしろ、と、 いうことですね。
ラーメンズの片桐仁さんは、
シヤチハタのTAROスタンプコーナーに
入りびたり。
「このスタンプ、上下がわかんないよ。
‥‥エスカレートしてきちゃった」
スタンプ連打の片桐さん。
パーティお開きまでに、スタンプTシャツは
完成するんでしょうか。
早乙女道春さんは、美術館のグッズコーナーで
なにやら物色。
いつも「ほぼ日」がお世話になっているT部長の姿も。
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darling、やっとここまでたどり着きましたね。
「うん。やってよかったね。
いままでとはちがう岡本太郎の扱い方を
伊賀さんが生んだということだと思います。
これから『明日の神話』も帰ってくることだし
またいろんなこと、やりたいね」
はい、やっていきましょう。
これで、TARO-Tシャツは
とりあえず、終わります。
第2回があるのかないのか、
(伊賀さんとは、第2回について
勝手にプランを練りはじめています)
これから「ほぼ日」が
TAROのまわりでどんな動きをしていくのか、
いまはまったくわかりません。
でも、いつもどこからか
TAROはみてくれているし、
岡本敏子さんはいつでも大きなうちわを
先頭で振ってくれています。
これからは「Be TARO!」の言葉のとおり、
ひとりひとりがTAROとなって
明日の神話を生み出していくのですね。
これまで長い間、ご愛読いただきまして、
ありがとうございました!
では、またお会いしましょう!!
TARO-Tシャツチーム 2005年 春
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