山下 慢心(センス編)。


ごきげんよう、みなさま。
なんとしてでもウサギの帽子をかぶりたい45歳、山下です。

「自分で納得のいく型紙をつくる」
そんな宿題を頭のすみに抱えつつ、
ぱたぱたとキーボードをたたいております。

納得のいく型紙をつくる‥‥。
それは、長く険しい道だと知りました。
「これでいいや」では、決してたどりつかないものだと。
「これがいい」でなければならないと。

何度か、やり直しました。
ある日は仕事が終わってから、
またある日は週末のひとけのないオフィスの隅で‥‥。

なのに、
なぜかしら、うまくいかない‥‥。
というか、もう、基準がわからない。
え? そもそも基準ってなんの基準?
いや、だから、修正する前のかたちを基準として‥‥。
でもそうやって、やったよね?!
うん、なのにどうして、おかしくなるの?
なんで、ここんとこに余計な布がちょろんと出てるの?
わ、わからない‥‥。

い、いけない、非常にいけません!
自問自答の深いスパイラルに陥ってます。

こんなときは、どうすればいいんだろう、
こんなときは‥‥そう、そうだ‥‥
布を買いに行こう!!

スソ先生も言ってたじゃあないか。

「そろそろ布を見にいったりすると、
 気分が盛り上がりますよ」
 
そうでしょうとも!
折しも本日は良いお天気。
吉祥寺あたりに布を買いに行ったりするのには
とってもいい感じですよ?!
行こう行こう、行きましょう行きましょう!

というわけで、なんこさんとふたりで
吉祥寺の手芸洋品店をはしごして、
とても効果的な気分転換を実現し、
モチベーションをグイグイあげてまいりました。
(このあたりのレポートは、
 なんこさんの記事を読むとおもしろいんです)

そして、さらに、
なによりも山下は、
これ以上ないと思えるような生地を発見。
即座にそれを購入。
こころでスキップをしながら
オフィスに帰ってきたのでありました。

ご覧ください、この生地です!!



ん~、これってほんとに、いいセンス。



この絶妙なチェック柄はどうでしょう。

うさぎの帽子だから、うさぎっぽくするとか、
そういうのってちょっとストレートすぎると思うんです。
そもそもそれじゃあ普段かぶれないし、
やっぱりおしゃれに仕上げたいですよね。

どうでしょう、こーんな感じになるわけですよ。



あ、これはなかなかほんとにいいかも!
おしゃれかも!
普段もかぶれる帽子になりそう。
これは、いい買い物をしたっ!!

それから数日後、
「帽子教室」でぼくは、自信満々で、
このオシャレな布をスソ先生に見せることになります。

先生、こんな布を買ってきました!

「あれ? これで作るんですか?」

はい、そうですけど‥‥。

「これはやっぱり、うさぎっぽい、
 ふわふわの生地のほうがおもしろそうですよね」
 
え? で、でも、オシャレな帽子にしようかなと‥‥

「で、型紙のことなんですけどね、山下さん」

先生が、さりげなくやさしく、
ぼくが買ってきた布を、スルーなさいました。



がっっくーーーーーーん!!

ま、またしてもぼくは、センスがうんぬんなどと、
思い上がっていたようです。
慢心、パート2。



「山下さん、ぶっちゃけさ、
 オシャレだってホメられると思ってたでしょ?」
 


「まぁ、つい大それたことを思っちまうんだよな。
 普段もかぶれる帽子が作れるかも、なあんてな。
 そいつぁ、なかなか、むつかしいぜぇ?
 ‥‥おっと、床屋の予約入れてるから、
 おれはぼちぼち失礼するぜ」

武井さんは、床屋へ。

残された山下は、決断しました。

明くる日、再び、山下は吉祥寺ユザワヤへ!

心をいれかえ、買い直した生地がコチラ!!



ええい、ままよ!
ふんわふわの、フェイクラビットでまいります!
フェイクですよ、フェイクファーですからね!!

 

スソ先生のアドバイス
そのほうが、いいと思います!
よかったー。
そうなんですよ、山下さんには
素直にかわいいのを作ってほしかったんです。
あつかいが難しい布ですけど、
ちゃんとお教えしますのでご心配なく。
ふわふわのうさぎ、たのしみにしています!

とじる