「marron」は、 
									「marron(本体)」担当の石井聖己さんと 
									グラフィックデザイン、 
									「marron(ケース)」担当の 
									中川可奈子さんの 
									手によって生まれた作品です。 
									今回「marron」を販売するにあたり、 
									飛騨高山にある木工房の製作会社である、 
									オークヴィレッジ株式会社に製作していただきました。 
									「marron」の生みの親である 
									石井聖己さんと中川可奈子さん、 
									そして育ての親である 
									オークヴィレッジの香田美穂さんと山内将さんに 
									お話をうかがいました。 
									 
									 
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								| ── | 
								審査会終了直後の座談会でも、 
									男性陣に人気でしたね。 
									栗の形をしたマッサージ器具を思いついた 
									きっかけからうかがえますか。 
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								| 石井 | 
								僕自身、もともとツボ押しが好きだったんです。 
									2008年から2009年まで1年間、 
									交換留学で 
									フィンランドのラハティという街に 
									留学をしていたのですが、 
									疲れたときに、 
									座りながら踏める何かがほしかったんです。 
									それで、ふと思いついて 
									端材で栗の形のツボ押しを作ったら 
										バシっとかわいいものができたんです。 | 
							
							
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								| ── | 
								必要にせまられて生まれたんですね。 
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								| 石井 | 
								そうなんです。 
									最初は、白樺の木と 
									燻製した白樺の木の二種類で作って。 
									帰国してからも、 
									それを自分のデスクに置いたりして、 
									見せびらかしていたところ、 
									周囲からの評判がよかったんです。 
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								| ── | 
								オークヴィレッジのお二人に 
									お聞きします。 
									「marron」を製作するに当たり、 
									いかがでしたか。 
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								オーク 
									ヴィレッジ 
									山内 
									(以下、 
									オーク山内) | 
								実は、難しかったんですよ、 
									栗のとんがった部分につながる曲面を 
									表現するのが。 
									直角だったらもっと簡単なんですけど。 
									 
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								 オーク 
									ヴィレッジ 
									香田 
									(以下、 
									
									オーク香田) | 
								昔からの職人さんには 
									難しいかもしれませんね。 
									“なんとなく、ぷっくりした形に”というのは、 
									感性の世界なので、再現が難しい。 
									試作の段階では 
									もっとラフなものを出させてもらったんですが、 
									ここのエッジはもっとこう、など 
									いろいろとご希望をいただきまして、 
									かなりのレベルを望まれているんだな、 
									とわかりました。 
									なので社内でそういった感性を持つ職人で 
									プロジェクトチームを組みました。 
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								| 石井 | 
								僕が一番最初に作ったものから、 
									だいぶん変わりましたよね。 
									洗練されている。 
									自分だけで作ったのでは、 
									この完成度はなかったと思います。 
									手触りもすべすべになっています。 
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								| オーク山内 | 
								最終工程の磨く仕上げで 
									手触りはすべすべになりましたね。 
									人間の手にも油がありますから、 
									オイルも塗っていません。 
									使い込めば込むほど 
									味が出ると思います。 
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									ひとつひとつ職人さんの手で仕上げていきます。 
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								| ── | 
								素材は、ケヤキ、ヤマザクラ、 
									トチ、ブラックウォールナットの 
										4種類があるんですよね。 | 
							
							
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								| 石井 | 
								販売にあたって 
									いろんな木材を拝見して、 
									4種に絞り込みました。 
									トチはすぐに決まりました。 
									こんな白い木を見たことがなかったから、 
									きれいだなと思って。 
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								| オーク香田 | 
								白さが他の木と違うんですよね。 
									はっとする白さというか。 
									トチというのは、 
									もともと木肌が白い木なんですけど、 
									製材して乾燥させる段階で 
									気をつけないと青黒くなってしまう。 
									真っ白い木肌になるように、 
									独自に試行錯誤して、原木調達から乾燥まで 
									ノウハウを確立しました。 
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								| ── | 
								他の木はどんな特徴があるんですか? 
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								| オーク香田 | 
								サクラはお花見のような園芸品種ではなく、 
									ヤマザクラといって 
									野生種の桜で、ソメイヨシノなどの原種です。 
									堅くて家具にもできるし、使い込むと味が出る。 
									日本人になじみがあるケヤキは、 
									材料としては高価なんです。 
									年輪の細やかさを見ていただければ 
									ゆっくりと生長したことが分かりますよ。 
									ブラックウォールナットのみ、 
									国産ではなく、北米産の木を使っています。 
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								| 石井 | 
								ブラックウォールナットの黒の色味が 
									気に入りました。 
									白と黒の木材は 
									どうしても入れたかったんです。 
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								| ── | 
								ケースであるフェルトについても教えて下さい。 
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								| 中川 | 
								作品大賞に応募するとき、 
									石井さんからなにか本体にプラスできないか、 
									と相談されたのがこのケースだったんです。 
										(と、スケッチを出す。) | 
							
							
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								| ── | 
								ふわっと栗を包み込んでいて 
									かわいいケースですよね! 
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								| 中川 | 
								すぐにこれがいい! と決まったんですが、 
									作るのに時間と手間が掛かる。 
									手作りでは追いつかなくて、 
									友人が紹介してくれた工房に 
									設計図と指示書、材料を送って 
									作ってもらったんです。 
									四角いボタンは 
									オークヴィレッジさんが作ってくれました。 
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								| ── | 
								色の組み合わせも4種類あるんですよね。 
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								| 中川 | 
								はい。 
									木の種類も4種類、 
									ケースも4種類の色の組み合わせを 
									作りました。 
									木の種類とケースの色、 
									それぞれ組み合わせを 
									選んでいただければと思います。 |