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          |  | 夏は暑いですね、福田さん。 
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          |  | 夏は暑いです、山下さん。 
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          |  | 頭のお皿は乾いてませんか? 
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          |  | ええ、頭のお皿は乾いてません。 
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          |  | 暑い日に、あえてホットもいいですが、 冷たーいアイスコーヒーは、
 やっぱりおいしいですよね。
 
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          |  |  | 
        
          |  | そうですね、シャキッとします。 
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          |  | 好きですか、アイスコーヒー。 
 | 
        
          |  | 好きです、喫茶店でよくたのみます。 
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          |  | 自分で淹れることは? 
 | 
        
          |  | それは、あまりしないかもしれません。 山下さんは?
 
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          |  | ぼくは夏になると 週末によくアイスコーヒーを淹れています。
 
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          |  | たいへんじゃないですか? 
 | 
        
          |  | や、それほどでもないんですよ。 とくべつな道具もいらないし、
 ちゃんとおいしくできるんです。
 
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          |  | へえー、どうやって淹れるのか教えてください。 
 | 
        
          |  | わかりました。 はなはだ生意気ではありますが、
 アイスコーヒーの淹れ方を紹介させていただきます。
 
 | 
        
          |  | ウサギ式ですね。 
 | 
        
          |  | はい。 しろうとのぼくがお教えするという意味で、
 ウサギ式とさせてください。
 でも、方法としてはとても一般的なんですよ。
 
 | 
        
          |  | その方法は、ペーパードリップで淹れるんですか? 
 | 
        
          |  | そうです、ホットのときと同じ道具で。 なので、大きな流れとしては、
 以前ご説明させていただいた
 「コーヒーの淹れ方(カッパとウサギ式)」と、
 ほぼ同じなんです。
 
 | 
        
          |  | へえー。 では、ホットのときとは違うところ、
 アイスのときのポイントはなんでしょう?
 
 | 
        
          |  | ポイントはズバリ、急冷。 
 | 
        
          |  | ‥‥キュウリ? 
 | 
        
          |  | ううん(首を振る)、そうじゃなくて。 それは福田さん(カッパ)の好物ですよね。
 キュウリじゃなくて、きゅうれい。
 
 | 
        
          |  | きゅうれい。 
 | 
        
          |  | 急に冷やすと書いて、急冷。 
 | 
        
          |  | ああーーー、はいはい、急冷ね、はいはい。 
 | 
        
          |  | では、さっそくまいりましょう。 まずは豆を、25g、
 ミルで挽いてフィルターにセットします。
 
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | ほぉ、たしかに、ここまではまったく、 ホットのときといっしょですね。
 
 | 
        
          |  | さあ、ここで、 グラスポットにロックアイスをたっぷり入れます。
 
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | きれいな氷ですね。 
 | 
        
          |  | そう! それもポイントなんです! 
 | 
        
          |  | あ、声が大になった。 
 | 
        
          |  | 今回は、たいせつなポイントがふたつあります。 それは、「急冷」と「いい氷」です。
 
 | 
        
          |  | いい氷。 
 | 
        
          |  | コンビニに売っているロックアイスなら 簡単に手に入ると思います。
 ぜひ、それを使ってみてください。
 
 | 
        
          |  | 冷蔵庫でつくった氷はだめですか。 
 | 
        
          |  | だめではないですが‥‥。 できれば透明度の高い氷を。
 氷は、ほんとうに味を大きく変えるので。
 
 | 
        
          |  | コンビニのロックアイスで。 
 | 
        
          |  | ぜひ、おためしいただきたいです。 
 | 
        
          |  | わかりました。 
 | 
        
          |  | 氷で満たしたグラスポットに、 フィルターをのせます。
 
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | なるほど‥‥ こうやって淹れれば、
 落ちてきたコーヒーが「急冷」されますね。
 
 | 
        
          |  | そういうことなんです。 では、淹れますね‥‥。
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | お湯は何度ですか? 
 | 
        
          |  | これもぼくはホットのときと同じにしてます。 沸騰させてからすこし冷ました
 85~90℃くらいのお湯です。
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | 最初は粉の中心に、 雨だれのようにぽたぽたと。
 
 | 
        
          |  | 同じ要領です。 
 | 
        
          |  | 同じ要領で、じっくりと。 
 | 
        
          |  | アイスコーヒーの場合には、 いつもよりも濃く淹れるイメージです。
 
 | 
        
          |  | ということは、 より、ゆっくりじっくり、ですか。
 
 | 
        
          |  | そうですね、気持ちゆっくり。 「濃く落ちて」という思いを込めて。
 
 | 
        
          |  | 最初の一滴が待ち遠しいんですよね。 
 | 
        
          |  | はい。 一滴のエキスが落ちる瞬間は、醍醐味です。
 ‥‥あ、きましたね、
 ぽたり‥‥。
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | あ、急冷。 すぐさま氷で冷やされています。
 
 | 
        
          |  | はい。 
 | 
        
          |  | でも当然ですが、急冷するときに 氷は溶けますよね。
 
 | 
        
          |  | はい、冷やしながらどんどん溶けます。 なので、最初に
 氷をたっぷり入れておくのが大事です。
 
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | なるほど。 でも、氷が溶けると、
 コーヒーが薄くなりませんか?
 
 | 
        
          |  | なります。 ですので、濃く淹れるんです。
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | 濃く淹れる‥‥ということは、 ホットのときよりも
 注ぐお湯の量を減らす?
 
 | 
        
          |  | そうです。 ホットのときは、
 このあたりから注ぐお湯を増やして
 おとすコーヒーの量を決めるんですが‥‥。
 
 | 
        
          |  | はい。 
 | 
        
          |  | 目安としてぼくは、 このグラスポットの「2」のラインで
 おとすのをストップします。
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | 「2」まで淹れても、 氷がたっぷりだから
 ホットのときより量はすくなめですね。
 
 | 
        
          |  | はい。 つまりそれは「濃い」ということです。
 
 | 
        
          |  | なるほど。 
 | 
        
          |  | ‥‥2のラインにきましたね。 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | きました。 
 | 
        
          |  | フィルターにお湯が残っていても、 かまわずはずします。
 
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | なぜならアクも一緒に落ちるから。 これもホットと同じです。
 
 | 
        
          |  | あとは、グラスポットを回して‥‥。 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | からんから~ん。 夏の音ですねー。
 
 | 
        
          |  | グラスに注ぎます‥‥。 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | ああー、いいなぁ。 
 | 
        
          |  | はい、できあがり。 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | にごりのない、きれいなアイスコーヒーです。 
 | 
        
          |  | にごりがないのは「急冷」のおかげだそうです。 ゆっくり冷やすと、にごるんですって。
 
 | 
        
          |  | へえーーー。 
 | 
        
          |  | 牛乳を入れてもおいしいですよね。 ‥‥よいしょ(入れる)。
 | 
        
          |  |  | 
        
          |  | ああ、おいしそー。 
 | 
        
          |  | 簡単ですので、ぜひおためしください。 
 | 
        
          |  | ぼくが知っているアイスコーヒーの淹れ方も 簡単ですよ。
 
 | 
        
          |  | ‥‥お。 コーナーが終わりかけたこのタイミングで、
 そんな興味深いことを言いますか。
 
 | 
        
          |  | ぼくが知っているアイスコーヒーの淹れ方も 簡単ですよ(グイッと近づいてくる)。
 
 | 
        
          |  | わ、わかりました。 ぜひ、教えてください。
 
 | 
        
          |  | 徳島に「アアルトコーヒー」という コーヒー屋さんがありまして。
 
 | 
        
          |  | はい、「アアルトコーヒー」、 何度か飲んだことがあります。
 
 | 
        
          |  | そこのご主人、庄野さんから教わった アイスコーヒーの淹れ方です。
 
 | 
        
          |  | ウサギ式とはだいぶ違いますか。 
 | 
        
          |  | 水出しコーヒーなんですよ。 
 | 
        
          |  | あ、水出しですか。 ‥‥でも、道具がいろいろいるのでは?
 
 | 
        
          |  | いや、必要ないんですよ。 手短にお教えします。
 
 | 
        
          |  | お願いします。 
 | 
        
          |  | 深煎りの豆を約30g、とにかく細かく挽きます。 
 | 
        
          |  | それは、ポイントですね。 
 | 
        
          |  | ポイントです。 細かく細かく、挽きます。
 それに、水を500ml加えて
 8時間くらい冷蔵庫で寝かせれば、
 すっきりした水出しコーヒーの完成です。
 
 | 
        
          |  | ‥‥え? それだけ? 
 | 
        
          |  | はい、それだけ。 粉を、お茶パックに入れるともっとラクチンです。
 
 | 
        
          |  | お茶パックというのは、 スーパーマーケットに売っている、
 ダシとりにも使う、あの袋ですよね。
 
 | 
        
          |  | はい。 さらに、完成したアイスコーヒーを
 KONOの紙フィルターやネルドリップで漉せば、
 見た目もクリアなコーヒーになります。
 粉と余分な油分を
 ペーパーやネルが吸収してくれるんです。
 ちなみに、漉さずに飲んでも、
 ドスンとした味わいがたのしめますよ。
 
 | 
        
          |  | その方法は、失敗がなさそうですね。 
 | 
        
          |  | そうなんです、 粉を細かく挽くのだけたいへんですが、
 あとは寝かせておくだけなので。
 
 | 
        
          |  | ぜひやってみたいです。 (※実際にやってみました。
 また違う味わいで、おいしかったです!)
 
 | 
        
          |  | アイスコーヒーにも、 いろいろな淹れ方がありますね。
 
 | 
        
          |  | そうですね。 まずはぼくらの方法をお試しいただいて、
 そこから自分のアレンジを加えていってください。
 
 | 
        
          |  | そのアレンジがたのしいんです。 
 | 
        
          |  | はい。 それでは、このあたりで。
 夏のアイスコーヒー、
 たのしく、おいしく、さわやかに‥‥
 
 | 
        
          |  | お召し上がりくださーい! | 
        
          |  |  |