| サービスがいいに越したことはない。
 けれど、「良すぎるサービス」はときにバカバカしくて、
 不快なムードを作り出してしまうことがある。
 例えば、最近、お客様からご注文をいただくときに、
 しゃがみこむサービススタッフに出会うことがある。
 椅子に座ったお客様に立ったままで話しかける。あるいは話を聞くというこの位置関係が、
 上からお客様を見下ろすからと、
 敬遠する気持ちがしゃがませるのでしょう。
 しゃがんで目線をお客様より下に保てば、
 うやうやしい感じになるから‥‥、と、
 そう思ってのコトなのだろうと思うのだけど、
 レストランの正しいサービスという観点からみれば
 これはかなり奇異。
 従業員がしゃがんでお客様に接するべきシチュエーション。次のような決め事があります。
 まず、お客様が座敷に座っていらっしゃるとき。座敷に座った人の横に立ち尽くしてあれこれするのは、
 レストランでなくともやってはいけない作法。
 だから、しゃがんで接客をする。
 それからお子様と話をするとき。目線をあわせるためにしゃがむ。
 あるいは何かお叱りをちょうだいするとき。それもしゃがんでいいときで、
 それ以外のときはしゃがまず軽く体を前に倒して、
 お客様の声を一生懸命聞いているという姿勢を保つ。
 これが正しい接客姿勢。
 なのにお客様を敬うためにしゃがみこむ。
 海外の人は、一体何がおこったのか‥‥、
 とビックリします。
 説明するのが面倒だから、ボクはそれを
 「忍者スタイルなんだ」と言ってお茶を濁すこともある。
 ボクなんて、ボクはあなたにしゃがませるほど
 お金を払っているわけじゃないし、
 それほど偉い人でもないから、
 どうかやめてくれませんかといいたくなっちゃう。
 
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