ただこう考えると、日本でずっと昔から
専門店と呼ばれてずっと生き残ってきた、
例えば寿司屋のような業態はとても特別。
カウンターに肩を寄せ合うように座って食べる。
メニューの種類は限定的で、サービスだって最小限。
こう特徴を書いていくと
まるでファストフードのような特徴を持っているのに、
フルサービスのフランス料理のお店よりも
値の張るお店がざらにある。
海外の外食関係の人にとっては、
日本の神秘のひとつなんでしょう‥‥、
お連れするたびビックリされる。
日本の料理文化とは、
なんとユニークで特別なものなだろう‥‥、って。
そして、ひと席あたりの家賃を
究極にまで安くする手段が立ち食い。
お店の中から椅子をなくしてしまえば、
ギッシリ人を収納できる。
テーブルやカウンターの周りに人が立てるだけ立って
食事ができるから、
何人がけのテーブルなんて感覚すらもなくなって、
「ひと席あたりの家賃」から
「お客様一人あたりの家賃」という、
究極の家賃の節約ができるようになるのです。
しかも、立って食べると長居ができない。
お客様の回転が早くなるから、
人気の店であればお客様の絶対量も増えて
ますます、一人あたりの家賃が下がる。
今、東京の街ではそういう理由で
立ち食い、立ち飲みのお店がどんどん増えている。
家賃を節約することだけが目的じゃなく、
立って食べたり飲んだりすることが、
おしゃれでカジュアルなコトと思う人が増えていることが、
そういうお店が増えることを後押ししている。
そして何より安く感じる。
なかにはいくつか圧倒的に安いお店がいくつかあって、
あんなに安く売って
それでも利益を出すことができるなんて、
スゴい努力をしてるんだろうと、
感心させられるお店もあって、
それでますます人が集まり、行列までができたりします。
その圧倒的な安さの理由のひとつがたしかに
「家賃を安くする工夫」を徹底的にしているから
ではあるのだけれど、ただそれだけじゃ、
あんな安さは実現できない。
さて、来週。
家賃以上に飲食店が、
下げる努力を必至でしているとある費用の話をしましょう。
重くて深い、お話です。
|