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にんげん「健やかに」「バランスよく」
「からだにいいもの」を食べましょう、
と言われても。なかなかそうはいかない。
だって、理想や正しいことばかりでは。
にんげん生きてはいけません。 |
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味というものは、
気がつかないうちにじわじわ、
自分のからだに浸みこむ。
知らず知らず、とても強く、
がっしり複雑に根っこを広げ、
張りめぐらせている。 |
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だから、
毎日毎日あたりまえのように食べている
自分のうちの味が、
しだいに基本の味に育っていく。
それはごく自然で、
とうぜんの成り行きなのです。 |
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味覚はどんどん発達していきます。
「あれ? 意外にいけるじゃないの、
と箸をのばす。
「わわ!」今までソンしてたよー。
そのときの快感ったらありません。
世界がぱあっと明るくなった気がする。
そして、にんまりほくそ笑む。
「オレもオトナになったんだな〜」 |
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