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みうらさんのイラストで有名なものに
ウシやカエルがありますが、
ウシは、そもそも
牧場での恐怖体験がもとになっていたんですね。
動画でうかがったお話は、映像化するとかなり怖そうです。
あの一日の体験が、記念すべきデビュー作へつながり、
単行本『単になんぎなうし』が出版されることに
なった、と。
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ええ、僕が
けもの道を歩くようになってしまった、
そのはじまりの単行本です。
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ウシがキャラクターとして一本立ちし、
OSAMU GOODS路線になっていくはずが、
表紙のイラストで丸ツブレに。
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ええ‥‥。
(本をペラペラとめくる)
この「ゴジラの運搬」というのは、
糸井さんがタイトルをつけてくれたんだよ。

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! そうなんですか。
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うん。糸井さんに
「お前が頭で考えた漫画は、おもしろくない。
お前は、体験したことのほうがおもしろいから、
それを描け」
と、言っていただいて。
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それで、ゴジラを盗んだ
ご自身のエピソードを漫画に‥‥。
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「ゴジラの話を描け。
描いてつかまれ。
犯罪漫画家になれ」と。
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特徴が出ますね。
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肩書きもつくね。
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動画でおっしゃっていましたが、
雑誌デビューも
電話一本だったそうで。
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そう、糸井さんのね。
雑誌「ガロ」の編集部に
僕の目の前で電話をかけてくれて
「このみうらってやつの、ウシの漫画ね、
おもしろくないけど、
人は悪そうにないから、載せてやれば」
そのひと言で僕のデビューが決まりました。
すごいなこの人は、と思いましたよ。
糸井さんが電話で
「あしたから戦争」って言ったら
ほんとに戦争になんじゃねえかな、と感じました。

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そして、ときはめぐり、
丑(うし)年がやって来たとたんに
世の中から思わぬ反応があったんですね。
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ええ。各出版社から
「年賀状用にウシのイラストを描いてください」と
注文が舞い込みましてね。
その頃、谷岡ヤスジさんと僕ぐらいしか
ウシを主人公にした漫画を描いていなかったんです。
あとは、アンディ・ウォーホルくらいかな。
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はははは。
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これはいける、と、
干支作家になろうとして、
ま、だめでしたけどね‥‥。
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漫画家デビューのきっかけとなったウシは、
OSAMU GOODSにも干支作家にも
なれないんだ、ということを、
みうらさんに教えてくれました。
ときは1980年。
みうらさんの、22個めの恩返しでした。
哺乳類、偶蹄目、ウシ科の動物。
肩の高さは150〜180センチ、体重0.45〜1.8トン。
肉や乳で人間がお世話になっています。