マカロニ・ウエスタン、というのは、
アメリカの西部が舞台であるにもかかわらず
イタリアで製作された映画のことですね。
ところで、カセットデッキの回で
聴かせていただいた「勝手に観光協会」のメロディも
マカロニ・ウエスタン風の、哀愁漂う口笛でしたね。
僕の作る曲は、
いろいろジャンルもあるんですが
まあ、マカロニテイストですね。
僕は、日常、あんまり悲しいようなことは
ないんですけれども、
旅先でああいうメロディをわざと吹いてみたりすると
妙に悲しい気分になるんです。
荒れ果てた荒野とか、
自分が捨ててきた村なんかを思い出して。
‥‥みうらさんのこれまでの経験に
「捨ててきた村」など
ないのではないでしょうか。
いまではもう、マカロニ・ウエスタンも
たくさんDVDで観られるようになりましたね。
僕は子どもの頃に、
マカロニ・ウエスタンに憧れまして、
テンガロン・ハットを買ってもらって
わざとボッロボロにして
ヒゲはもちろん生えていなかったんで
ペンで描いたりしてね、
親父によく怒られたもんですわ。
ところで、フランコ・ネロという人は、
そんなにも汚かったんですか。
ええ。動画でも言いましたが、
クリント・イーストウッドよりさらに
すごく汚かったです。
アメリカなのに、イタリア。
クロサワ映画をムリムリパクる。
めちゃくちゃでしたね。
動画にもありましたが、
そんなマカロニ・ウエスタンが、その後、
スプラッタ映画やブルース・リーに影響を与え、
日本と香港、イタリアを結ぶ
映画の三国同盟を描いていくことになるのですね。
文化の源になるためには、周囲から
「しょうがねえな」
「いつまでもいつまでもあんたは」
と呆れられるほどの情熱と欲望としつこさが
必要なのかもしれません。
みうらさんの、18個めの恩返しでした。
「真昼の用心棒
/LE COLT CANTARONO LA MORTE E FU TEMPO DI MASSACRO」
2002/11/22 発売元:IMAGICA 販売元:エスピーオー