ひとりひとりが書いたふつうのメールには、AIにはない、ほのぼのとしたよさがある。(そう思いたいでしょう、あなたも?)
ゴールデンウィークが近づくと、 ヤギのことを思い出す。 なんならヤギの鳴き声が聞こえてくる気がする。 ひょっとしたら、 ヤギは初夏の季語なんじゃないか?
そう思って季語のデータベースで調べてみたところ、 「ヤギ(山羊)」は季語ではなかった。 しかし、なんと、驚いたことに、 「山羊の毛刈る」は春の季語であった。
えっ、なにそれ、どういうこと? 「山羊」単独では季語じゃないのに、 「山羊の毛刈る」は季語になるってこと? そんなことあんの?
「山羊」は季節を感じさせないが、 「山羊の毛を刈ること」は季節を感じさせるってこと? ‥‥‥‥ああ、まあ、そうか。 まあ、そうかもな。たしかにな。なるほどな。 さすがだな、俳句。やるな、俳句。 だてに長く続いてないな、俳句。
“風ゆるみ 山羊の毛刈るや 昼さがり”
おおお、たしかに、春を感じる。 まこと、「山羊の毛刈る」は季語であった。 恐れ入りました、俳句。
そのように、日本古来の文化である俳句に対して あらためてのリスペクトを表明した私が みなさまにお伝えしたいことは、 このコンテンツは俳句と関係がないということだ。 一句詠んでる場合ちゃうっちゅうねん。

おおお、ヤギが鳴いた。今年もヤギが鳴いた。 これは、「さっさと説明しなさい」の合図だ。 しましょう、しましょう、説明しましょう。
みなさまがいま読んでいるこれは、俳句ではなく、 「メールするからメールしてね。」という、 ほぼ日が(なんと!)2007年から20年近く続けている、 ゴールデンウィークの恒例企画でございます。
長い連休って、遊ぶ予定とかも、 きっといろいろあると思うんですけど、 意外に「ヒマな時間」もありますよね? なんか、予定が急にキャンセルになったり、 行く途中にひどい渋滞にハマったり、 人気のスポットにはたいてい行列があったり。
そういうヒマを、 ちゃちゃっとつぶすためのコンテンツ、 それがこの「メールするからメールしてね。」です。
どのようにたのしむか、ご説明いたします。 まず、指定のメールアドレスに、1通のメールを送ります。 なんでもいいんです。長くても、短くても。 なんなら白紙のメールを送っても大丈夫です。
そうすると、なぜか、不思議なことに、 1通のお返事メールがあなたのもとに届きます。 「あ、そう」とあなたは思ったかもしれません。 「それがなにか?」と、 大人っぽく悠然と受け止めたかもしれません。
そういった場合は、もう1通、メールを送ってみてください。 すると、また1通、お返事のメールが届きます。 さらにもう1通、送る。するとまた1通、返事が届く。 なんなら、10通、送る。 すると、10通、返事のメールが届く。 なるほど、ずっとお返事が返ってくるのだな、 と理解した冷静沈着なあなたは、 届くメールが二桁になったあたりで、 「おや?」と気づくかもしれません。
そうです、そうなのです、 この「メールするからメールしてね」、 メールを送るたび、毎回、毎回、 違う内容のメールが届くのです。 30通とか送ると、30通、違うお返事メールが届くのです。

おお、ヤギも驚いています。 まあ、ときどきはダブっちゃうこともあるかもしれないけど、 基本的には、毎回違うお返事が返ってくるのです。
「あ、なるほど、AIね」と思ったあなたは、 700文字くらい前に私が書いたことを思い出してください。 いいですか? この企画は2007年から続いているのです。 2007年にAIがありましたか? 2007年といえばあなた、初代iPhoneが発売された年ですよ? 初音ミクが初登場して、リーマンショックがはじまり、 小島よしおさんがはじめて 「そんなの関係ねぇ」と叫んだ年です。
うわあ、マジか。そんな年からやってるのか。 続きすぎだろう、ほぼ日。 なにかと続きすぎだろう、ほぼ日。
ということはつまり、ほぼ日の伝統的コンテンツである 「メールするからメールしてね。」の根幹に AIは微塵も存在していないということです。
じゃあ、どうして、メールを送るたびに、 毎回異なる内容のお返事メールが届くのか? あなたは不思議に思ったことでしょう。

ああ、ヤギも不思議だと申しております。 毛を刈ったばかりなのでさっぱりとしたヤギが、 どうしてたくさんのお返事メールが届くのか 説明しろと申しております。 はい、ご説明いたしましょう。
大量に準備されたお返事メールは、 ほぼ日の乗組員が1通1通書いているのです。 そう、人力です。「ひとのちから」と書いて「人力」です。
いつの間にやら、ほぼ日の乗組員も人数が増えました。 私がこの会社に潜り込んだ頃などは、 20人くらいしかいなかった乗組員が、 もう、余裕で150人を超えています。 そのほぼ日乗組員が全員で ひとり5通、お返事のメールを書いています。
仮に乗組員が150人だとすると、 150✕5=750通! すごいでしょう、750通の人力のメール!
もちろん、書き手のひとりひとりは ほぼ日のふつうの乗組員ですから、 正直、内容がすごくおもしろいというわけではありません。 丁寧に、まじめに書いてますが、 ゲラゲラ笑えてエモくてエグい、 なんてことはありません。 約1名、日本を代表するコピーライターの書いた お返事メールが混ざってはいますが、 1通1通は、まあ、ふつうです。 そのぶん、750通あるというバリエーションで勝負します!
え? 750通といわれてもピンとこない? 大丈夫、そういう場合にそなえて、 毎年、私たちは自分たちが準備したメールを ビジュアライズしているのです。 こちらをご覧ください。
どうですか。750通のメールが実感できましたか。 え、かえってよくわからなくなりましたか。 うん。それはそれ。ともかくたくさん書いたよ、と。
みなさまが我々にメールを1通送ってくださると、 この750通のお返事メールのなかから ランダムで1通が送られてきます。 もちろん、いただいた内容に対応した お返事が送られるわけではありません。 けど、けっこう、おもしろいですよ?
その証拠というわけではありませんが、 この「メールするからメールしてね」という企画は 毎年毎年多くの人にたのしまれておりまして、 昨年はなんと、「51,239通」のメールが届きました! ということは、のべ「51,239通」の お返事メールもみなさまに送られているということです。
いやあ、どうなってるんだ、ほぼ日。 海外対応したら世界中から どういう目で見られるんだ、ほぼ日。
さあ、ヤギが2回鳴いたということは、 ぼちぼちこの長々としたテキストも終盤です。 ヤギはそういった時報的な役割も担っています。
最後に、ちょっとややこしい説明をしておきます。 ここはなんなら読み飛ばしてもけっこうです。
あなたがメールを1通出して、 それに対してほぼ日から届いたお返事メールに ついついまた返信したくなりますが、 返信しても、それにお返事メールは届きません。 OK?
つぎのお返事メールが読みたい場合は、 とどいたお返事メールに返信するのではなく、 「最初の1通」をもう一度出してください。
ただし。ただし、ですよ? その「お返事メールへの返信」は、 ほぼ日の編集部には届く仕組みになってます。 だから、「お返事メールへの返信」は、 感想メールとして乗組員が うれしく読ませていただきますので、 出したい方はどうぞ遠慮なく出してください。 むしろ、お返事へのお返事は、 乗組員にとっては歓迎されています。 はい、ややこしい部分の説明はここまで。
毎年、長々と説明しましてすみません。 超かんたんに言うと、 あなたがやるべきことはたったひとつ! 気楽にメールを1通出すだけ、です!
「メールする」というボタンを押すと、 ヤギがいい声で鳴いてメールソフトが立ち上がります。 もしメールが届かなかったり、 メールの設定などで心配があるときは、 「くわしいやりかたとご注意など」をお読みくださいね。
細かいことですが、届くお返事メールは、 「改行あり」と「改行なし」が選べます。 どちらも内容はいっしょですが、 スマホで読むなら「改行なし」が読みやすく、 PCで読むなら「改行あり」が読みやすいと思います。 どちらでも、好きなほうを選んでください。
それでは、今年も、メールするから、メールしてね!
