『MIND ASSASSIN』 
  
著者:かずはじめ 
  発行:集英社  | 
 
 
 | 「記憶」が大事な要素になっているマンガつながりで、 
  かずはじめさんの 
  『MIND ASSASSIN』につなげてみます。 
   
  「手で触れた人の記憶を破壊し暗殺する」という戦時中に 
  軍事目的で生み出された特殊能力、マインドアサシン。 
  その能力を現代に受け継いでいるドイツ人クオーターの 
  日本人医師、奥森かずいが主人公のサスペンス作品です。 
   
  連載がはじまった当時10歳そこそこでしたが、 
  大好きな他のジャンプ作品とは質のちがう、 
  オトナっぽいお話と雰囲気にしびれました。 
  黒い手袋や両耳のピアスなど、暗殺能力と 
  関連するギミックも、かっこよかったー。 
   
  普段はその力を加減して、やむをえない場合の 
  「患者の治療」のみに限定して使っているかずいですが、 
  許されざる「悪」に対しては、時に残酷とも思えるほど 
  冷徹に、精神の抹殺を行います。 
   
  余白たっぷりの画面。 
  敵は倒してもどこかにかなしさが残るストーリー。 
  自分の能力に対する葛藤をいだきつつ、 
  理解者である少年を何より大切にする主人公。 
  当時の少年マンガとしては、かなり画期的な 
  作品だったのではないでしょうか。 
   
  やぁやぁ、小学生の俺よ。 
  マンガには、「戦って勝つ」「負けて強くなる」のとは 
  またひと味ちがったおもしろさもあるのだ。 
   
   
  (ボブ) |