『火の鳥 鳳凰編』 
  
著者:手塚治虫 
  発行:朝日新聞出版  | 
 
 
 | 何かを失った主人公の漫画繋がりで 
  『火の鳥 鳳凰編』をお勧めいたします。 
   
  この漫画は生まれてすぐに片手を失い、 
  やがて山賊として生きるようになった我王が、 
  さすらいの仏氏(仏像彫刻家)茜丸の右腕を 
  切りつけるところから始まります。 
   
  茜丸は右腕の力を失いますが、 
  それでも「左腕があるじゃないか!」と 
  希望を見出します。 
  一方我王はある出来事である僧に同行することに。 
   
  物語は二人の対比で進みます。 
  悪党我王がやがて聖人に、 
  希望溢れていた茜丸が 
  出世欲に駆られた人物へと変貌します。 
   
  我王の発見に感動、 
  茜丸の心境に人間らしさを感じることのできる、 
  人間の心の「聖人」と「欲望」という二つの人格を 
  うまく表現したお話です。 
   
  生きるとは何なのか、死ぬとは何かを永遠問いかける、 
  生命ドラマの最高傑作、是非一度読んでみて下さい。 
   
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