『うしおととら』 
  
著者:藤田和日郎 
  発行:小学館  | 
 
 
 | 満身創痍、でもぜってー負けねえ!!なヒーローつながりで 
  『うしおととら』をおススメします。 
   
  どんな妖怪も滅ぼす力を持つ「獣(けもの)の槍」と 
  その槍に500年もの間縫いつけられていた 
  凶暴な人食い妖怪「とら」、 
  そしてそれをやむなく開放する事になったのが 
  このマンガの主人公「蒼月 潮(うしお)」です。 
   
  この「獣の槍」には明確な意志と目的があり、 
  その槍に「継承者」と認定されてしまったうしおは 
  スキあらば彼を食らおうとするとらとともに 
  人に仇なす妖怪との戦いを余儀なくされます。 
   
  毎回死ぬようなキズを負いながら 
  人や妖怪のために怒り、泣くうしおの姿は痛々しいけれど、 
  他人の痛みにどこか鈍感になってしまった私に 
  否応なく本来あるべき人間の姿を見せてくれます。 
  ここまで強く、自分を投げ出して 
  人のために何かをできるか? 
  許せない事を許せないと大声で怒る事ができるだろうか? 
  大人になっていろんなことに慣れてしまって、 
  怒ってもどうにもならない事が増えて、 
  あきらめるクセがいかに身についていたかと言う事に 
  久しぶりに気付いた作品でした。 
   
  20年くらい前のマンガですが、古さはまったく感じません。 
  むしろ日々のルーチンで 
  心がちょっと疲れた大人に読んでほしい。 
  きっとうしおのでっかい愛に元気をもらえると思います。 
   
  (なおこ) | 
 
 
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