「人間はどんなところでも学ぶことができる。 
   知りたいという心さえあれば。」 
  この学者魂つながりで、私がおすすめするのは 
  『天才柳沢教授の生活』です。 
  Y大学経済学部柳沢良則教授は、 
    道路交通法を遵守し、規則的な日常生活を徹底しつつ、 
    様々な人びととの出会いを通じ、 
    生きることの不思議を追求する生粋のインテリゲンチャ。 
    でもその知性や肩書きを鼻にかけず、 
    安いさんまを探して延々と歩き回るような 
    庶民感覚も持ち合わせています。 
    脱帽するくらい広い交友関係もあります。 
  誰が相手でも同じようにていねいに言葉を交わし、 
    その視線は子どものように先入観の曇りがありません。 
    物語の語り手である教授のモノローグからは、 
    論理的な思考と同時に瑞々しい感性が感じられ、 
    真の教養人とはこういう生き方・考え方をするものだと 
    読むたびに得心させられます。 
  と書くと、 
    なんだか堅苦しいイメージを持たれるかもしれませんが、 
    四角四面な生き方と言葉遣いは、とてもユーモラス。 
    毎回登場する人物も魅力的なキャラクター揃いです。 
  できるなら全作品を読み通して、 
    お気に入りの一曲、じゃなくて一作を見つけてほしい。 
    私にとってはバイブル的な存在。 
    だからきっと、 
    おばあちゃん、おじいちゃんになっても楽しめる、 
    読めば読むほど味が出るマンガですよ! 
  (ちゃあぼう)  |