高校生の恋愛や、性への葛藤つながりで 
  高橋しん先生の『最終兵器彼女』を推薦します。 
  初めて出来た彼女が、 
    ある日、戦争のための最終兵器に。 
    ごく普通の恋愛の葛藤の中に 
    突然、非日常的な葛藤まで背負う事になった2人。 
    戦争の最終兵器である事と、 
    恋愛の葛藤が同じ大きさの問題に描かれている様が 
    身震いするほど秀逸。 
  処理しきれない大きな問題を抱えながら、 
    今できる事を必死にやるしかない、 
    幼いゆえの純粋な行動が、 
    とてももどかしく愛おしいのです。 
    高校生の幼い恋愛、または個人そのものが 
    いかに尊いものかを感じさせてくれます。 
  誰のせいでもない不条理な問題を突きつけられた時、 
    迷いながらも人を好きになる気持ち、 
    迷いながらも大事な人を守りたいという気持ち、 
    孤独の寂しさ、争いの愚かさ、虚しさ、 
    争いは何を奪うのかを 
    考えさせてくれる作品だと思います。 
  読んだ後には、とても人を好きになりたくなります。 
    愛を信じたくなります。 
    今、こんな時だからこそ、お勧めの作品です。 
   
  (前野)  |