またまた大きく路線変更ですが、 
  「なんでもないけどリアルな日常」繋がりということで 
  『この世界の片隅に』をお勧めします。 
  舞台は戦時下の広島。 
    海苔すきと絵描きが得意な 
    ちょっとのんびりな19歳の女の子、すず。 
    嫁ぎ先の呉での生活に、 
    不器用ながらも馴染んでいって…。 
  この漫画に描かれているのは、「戦時中の日常」です。 
    不自由なことも多い時代ですが、 
    その中で工夫をしたり、助け合いながら 
    普通に暮らす人々の物語です。 
    小姑さんが怖かったり、 
    ヤキモチ焼きあって喧嘩したり、新しい友達ができたり。 
    現代と全然変わらないような、 
    ささいな喜怒哀楽が散ばめられています。 
    でも反対に、大切な人や物を 
    簡単に奪われてしまうかもしれない、 
    そんな側面も普通の人の目線で語られています。 
    特別ではない、日本中にいる普通の人たちが経験した日々を 
    ちょっと切り取ったという感じで、 
    「戦争反対!」などと叫んでおらずとも、 
    とてもリアルに戦争が悲しいことだというのを 
    感じられるのです。 
  自分が今暮らしているこの世界が、 
    いとおしくなる漫画ですよ。 
  (おかゆ)  |