『蝉時雨のやむ頃』 
著者:吉田秋生 
発行:小学館 | 
『愛すべき娘たち』の、 
子供にとっては母だけど、「女」で「少女」でもある 
つながりで思い浮かんだのは、 
吉田秋生さんの『蝉時雨のやむ頃』にはじまる、 
海街diaryシリーズです。 
 
両親が離婚し、残った母も再婚して出て行って、 
鎌倉の祖母が残した古い家に残った3姉妹のもとに、 
父が亡くなったと連絡が入ります。 
もう顔も覚えてない父の葬儀で出会った 
母親の違う妹を引き取ることにして、 
4人姉妹の鎌倉の季節に彩られた 
鮮やかな生活が始まります。 
 
親も1人の人間で、 
弱くもずるくもあるって分かる年齢になっても、 
やっぱり子供にとって親は切り離せない存在。 
その存在を疎ましくも思い、腹立たしくなったりもします。 
 
自分が信じたいものとは別のところに違った真実があって、 
それは前からそこにあったものなのに、 
ただ気付かなかっただけ…。 
そういうものが世の中にはたくさんあると気付いた時に、 
すこしだけ、人に、そして自分に、 
優しくなれるものなのかもしれません。 
 
4人姉妹と、姉妹を囲む人たちが 
優しくて、切なくて、抱きしめたくなります。 
ぜひ読んでみてください! 
 
(さるる) | 
 
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