母親とのきずなつながりということで、 
谷川史子さんの『手紙』を紹介させてください。
      大学進学で上京し、 
        ささいなことで連絡をしてくる母親をうるさく思う素子。 
        ある日引越し先のアパートに、 
        見知らぬ名前からの手紙が届きました。 
        間違って配達されたその手紙から、 
        奇妙な文通が始まります。 
        ここまで読んだだけだと、 
        切ないラブストーリーを連想しそうですが(私はしました) 
        コメディタッチにお話がころころ進み、 
        でもラストはぐっと感動が押し寄せてきます。 
        特に最後の5ページの、 
        素子のおかあさんへの溢れ出すようなモノローグが、 
        高校生〜大学生くらいの 
        素直になれない親とのやりとりを経験したことがある方は、 
        目頭が熱くなるのではないでしょうか。 
      谷川史子さんの世界はとてもあたたかくて優しいので、 
        ぜひたくさんの方に触れていただきたいなと思います。 
        巻末のエッセイマンガからも 
        谷川さんのお人がらが見えて 
        ほっこりすること間違いなしです。 
      (ピロンズ)  |