 2025-05-17 |
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・〈がんばりたいです。〉
「がんばりたいです」ということばを、よく聞いてきた。だいたい、若い人が言う。「もっとがんばんなきゃダメだぞ」みたいに叱られて、「はい。がんばりたいです」と答えるという流れだ。すると「がんばりたい、じゃないだろう?」と、目上の人に、さらに叱られる。「がんばりたいじゃなくて、がんばりますだろう」と念を押されて、あそっかという気持ちになって「はい。がんばります」というところで終わる。ぼくは、こういう会話をしたことがないのだが、正直、「がんばります」は、なかなか言えるもんじゃない。
「がんばります」と言う以上は、「なにをどうがんばるか」が見えている必要があるだろう。それがわかっていたら「がんばります」と言えるけど、だいたい、「なにをどうがんばるか」わかってないのだ。ランニングを毎日何キロやるとか、素振りを千回みたいなことが決まっていたとしても、そんなに単純なことでは、ほんとには「がんばれない」。「なにをすればいいか、見つけたいんだよ」という気持ちが「がんばりたいです」の本音なのである。
できるかもしれない、できたらうれしい、そういうことに向かって、なんとかしたいって気持ち、あるでしょう、あなただってわたしだって。そしたら明日に向かって「がんばりたいです」よね。「がんばります」とは、まだ言えないじゃないですか。32ページのマンガを描くって決めて、そのストーリーもできていて、ネームもできている。そしたら、もう描きあげるまで「がんばります」だよ。だけど、まだプロットの段階だったら、キャラクターもまだぼんやりしている状態だったら、「がんばりたいです」って言うことになるよね。いずれ「がんばります」のところに持っていきたい、ということでもあるのです。ぼくも、人にはそんなこと言ってないけど、いつも、しょちゅう思って、ずっとやってますよ、「がんばりたいです」は、本気ですから。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。がんばりたいです。でも、今日は休みます。ってのもあり。