◆◆第2回 ガラスは光を宿す鉄なんだな ◆◆ |
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ガラスの工芸品は確かに奇麗で、しかも実生活の役に立つ。オレのゲージツは生活の役には立たないけどね。光によってこの暗いジャパンの心を元気にしたいと、そうゆうゲージツなんだな。鉄は光を通さない。酸素と結合して錆びるだろ?そして土に帰っていく。そうゆうベクトルをもっている。ガラスと反対に、闇を取り込む物質だな。それに対してガラスは『光』を宿して『光のカタマリ』になるんだな。
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『光』そのものをよ、ゲージツしたかったんだ。太陽が眩しかったり、蛍光燈が明るかったりするけど、「光」というモノを直接見ているわけではなく、あくまで反射しているから明るいんだ。それでオレの中でガラスが選択されたんだな。
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『うつろう』
高知県中村市の海岸に展示されている作品で、ゲージツにガラスを用いた最初の作品。ベースは鉄で出来ていて、全長20mの『とんがったモノ』が北を向いてそびえたっている。
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その下には色ガラスを埋め込まれた、半円状の鉄がある。日の光が作品を照らし、『とんがったモノ』の影が色ガラスを消していく。日時計みたいな感じ。時の移ろいを感じられる。だから『うつろう』。 |
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