さて、旅先での楽しみでも悩みでもあるのが食事。
次いつ来られるか分からない町での食事は
真剣勝負ですよね。
堅苦しくなくてくつろげるお店がいいけど
おいしいところじゃないとイヤ！　という方には、
「ろんぐ亭」をおすすめいたします。
商店街から熟田津（にきたつ）の道へ入ってすぐの
右手にあるお店です。
黒いシックな内装や備前焼の器など、
ご店主の横石さんのご趣味を反映した
渋くてあたたかい雰囲気の店内には、
カウンター席が６席とお座敷席が８席。
あっという間に満席になってしまいますが、
お店の方とおしゃべりしながら
おいしいお料理をいただけるのが、
カウンターのお店のいいところですよね。
人気の定番メニュー４種類（400円〜）の他にも
たくさんの日替わりメニューを用意なさるという
横石さんのお料理は、どれをいただいてもほっとします。
煮凝り（450円）は、ひんやりと冷やし固めてあって、
ビールや各地のお酒とともに旅の疲れを
すーっと癒してくれますよ。
定休日（火曜日）以外の平日にいただける
11時から13時30分までの
ランチ（980円）もおすすめです。
お刺身・小鉢２品・揚げ物・お漬物・
ぴかぴかのごはんとお味噌汁、そしてフルーツ、
という豪華満腹メニュー。お得です！

松山の文化をもっと堪能したい！　という方には、
道後公園内にある松山市立子規記念博物館、
通称「子規博」をおすすめいたします。
偉人を数多く輩出した松山ですが、正岡子規はその筆頭。
結核を患い床に臥せりながらも、
幅広い分野で創作を続け日本文学を刷新した人物です。
その子規の生涯と業績にまつわる資料が
惜しみなく展示されていて、俳句だけでは語りつくせない
子規の仕事や人柄にふれることもできるミュージアムです。
ぜひご見学なさってみてください。

熟田津（にきたつ）の道を少し奥へ進むと、
近現代日本の名画やロダンの大理石彫刻を
コレクションしているセキ美術館があります。
白い内装にやわらかな外光が差し込む建築の中で
作品を鑑賞できる美しい美術館です。
画家の筆致も間近に見られる距離で
展示に見入っていると、
１階からオルゴールが鳴るのが聴こえてきて我に返る‥‥
ということもしばしば。
現在開催中の特別展
「洲之内徹とゆかりの画家たち 絵の中の散歩」展
（10月12日まで）もおすすめです。

道後温泉本館の裏から山手へ少しのぼっていきますと、
道後ぎやまんガラス美術館。
その名の通り、ガラス専門のミュージアムです。
製法や発色剤の解説も見やすく添えられていて、
ガラス工芸の歴史とあわせて
興味深く見学することができます。

今ではちょっと見ないような、
ガラスのお箸や煙管（きせる）なども。
かつての人々のくらしや職人たちの丹精が垣間見える、
江戸・明治・大正のガラス製品は、どれをとっても、
そして影までも美しく、見終わる頃には
すっかり魅了された状態になります。
（ガラスの）色に惑わされて、
出るのが惜しくなる美術館です。