ほぼ日刊イトイ新聞 - イタリアンマンマの直伝レシピ


	2012/09/23

レシピその178
野菜のポルペッタ～イタリアの楽観主義～

９月に入ってから新しいスタートをむかえて、
生活リズムもすっかり通常に戻り、
バカンスを懐かしく思うこのごろです。
この夏はイタリアの新たな一面に触れ、
この国が保つベースを垣間見ることができて、
新鮮な思いをしました。

そのひとつがリミニで行われた
「人民間の友情のためのミーティング」でした。
毎年、カトリック団体の
コムニオーネ・エ・リベラツィオーネが主催する
大きな催しで、
カトリックだけにとらわれない
多様な国籍・宗教の人々による出展があります。
社会、国際問題や信仰について話し合う集会や、
展示会などが、リミニの会場で開催されます。

イタリア人は「楽観主義の人達」と言われますが、
今回、参加してみて、
この楽観主義者の素晴らしさに触発されました。
準備段階の様子を写真でご紹介しましょう。

▲メインの展示会場。
　壁を黒く塗ったり、
　柱を御影石のように描いている若者たちは
　１週間前から来て会場作りをしてくれています。
　全員がボランティアです。

▲展示場の入り口付近は
　斉藤和佳子さんによる写真展。
　震災時とその後にイタリアから
　友交訪問をしたときの写真です。

▲同じく入り口付近に夫の絵が空間を飾ります。
　砂で模様を描きます。

▲内装総轄リーダーの
　建築家マウリッツィオさん（右）。

▲親の代からボランティアをしている人もいます。
　学生にとって社会現場を学べる
　貴重な体験でもあります。

開場２日前、私は開場までに
準備が間に合うのか不安になりましたが、
若者達は
「夕べは夜中まで海辺で
　バレーボールをして遊んだんだ」
と楽しむ遊び心を忘れません。
楽しみながらチームワークを育み、
明日の仕事に発揮する‥‥
この楽天さとチームの作り方には、
目を見張りました。

彼らは「最終仕上げ」「より良いものを」という
みんなが望む着地点に向かって協調しながらも
今、この時に！　と、
それぞれが自分の力を出し切り、
最大限に発揮していました。

これが「楽観主義」らしさなのではないかと
つくづく思ったのです。
ボランティアをする人達を見て
くすぶっていた私の心のともしびに
松明が火をともしてくれたような
そんな気持ちになりました。

さて、今回、ご紹介するお料理は、
野菜のポルペッタ（団子）です。
いろいろな個性の野菜の味が混ざって、
独特な味わいになっています。
どうぞお試しくださいね。

野菜のポルペッタ

■材料（３～４人分）

ナス：280g
ジャガイモ：小１個
ズッキーニ：中１本
ニンジン：小１本
パプリカ：４分の１
トマト：１個
モッツァレッラチーズ：70g
パルミジャーノ：大さじ４
パン粉：２にぎり
塩、コショウ：適量
オリーブオイル：大さじ４
トマトソース：150cc
砂糖：40g
レモン：半分

■作り方

（１）ナスの皮を筋状に交互にはぐ。
皮は飾りにするので捨てずにとっておく。

（２）サイコロ状に切る。

（３）中火で10分蒸す。

（４）ナスを蒸している間に、
ジャガイモはざく切りに。
ニンジン、パプリカは荒い微塵切りにする。

（５）（４）の野菜を入れて10分蒸す。

（６）蒸している間に、
ズッキーニをサイコロ状に切る。

（７）（５）にズッキーニを入れて、２、３分蒸す。

（８）蒸している間にソースを作る。
トマトソースに砂糖を入れて弱火で５分煮る。

（９）レモン汁を加えて、弱火で数分煮る。

（10）蒸した野菜を潰しながら、水気を取る。

（11）最後にキッチンタオルで抑えて水気を取り、
冷めるまで少し置く。

（12）野菜を冷ましている間に、
飾りの野菜を揚げる。
ナスの皮に小麦粉を薄くつけてさっと揚げる。

（13）ズッキーニの花も小麦粉をつけ揚げる。

（14）（11）で水気を切った野菜に、
パルミジャーノ、塩、コショウを入れる。

（15）混ぜながら指先でジャガイモとナス潰す。

（16）パン粉を入れて混ぜる。

（17）パン粉の量を加減して、
全体がよく混ざり、まとまりやすくなるように調整する。

（18）手の中で押さえるようにして形を作る。

（19）トマトをのせ、よく押さえる。

（20）フライパンにオリーブオイルを入れて
よくあたため、
（19）のトマト面から焼き始める。

（21）裏返し、チーズをのせる。

（22）フタをしてチーズが溶けるまで焼く。

はい、出来上がりです。
チーズの上にソースをのせ、
ナスの皮とズッキーニの花を揚げたものを
飾りました。

BUON APPETITO！