レシピその90
クロスタータ(イタリアのタルト)
〜リエティの思い出〜 |
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いちごの季節ですね。
いちごジャムを作ったので、
ジャムを置く棚を整理していたら、
思いがけず、すてきな出会いがありました。
昔作ったジャムが出てきたのです。
この棚は保存食専用ですので、
ときどき、こんなことがあるにしても、
これは年代ものです。
1996年に作ったプルーンのジャムです。
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フタを開けて味見をしてみました。
‥‥おいしい!
いまはもう独立した子供達が、
当時はまだ家にいて、食欲も旺盛だったので、
ビンも大きいものでした。
その頃の思い出が一瞬によみがえってきました。
甘いものと一緒によみがえってくる思い出といえば、
楽しいことばかりではありませんか?
今回ご紹介するメニューは、
「クロスタータ」(イタリアのタルト)です。
クロスタータといえば、
リエティのことを思い出します。
リエティに住んでいたころは、
毎日、ご近所の方とお茶タイムがありました。
お茶タイムにいつもといってよいほど、
出てくるものはクロスタータでした。
日持ちするという利点が大きいと思いますが、
みんながよく作るジャムを使う上に、
特別な材料がまったく必要ないので、
思いついたときに作れる気軽さがあるからだと思います。
紅茶にもコーヒーにもよくあいますし、
もちろん飲み物がないときにも、ちょっとつまめます。
ジャムの好みは別にして、
クロスタータを嫌いな人をみたことはありません。
みんなに好かれるクロスタータにも、
「我が家の味」があります。
生地のかたさ、厚さ、ジャムの種類、甘さなど、
シンプルなものだからこそ、
各家庭の好みがはっきりと出ていました。
よくみんなでクロスタータのレシピの交換をしましたが、
結局、各家庭の味に戻ってしまうのは、
やはり「慣れた味が一番」という家族のリクエストかしら?
‥‥なんて思っています。
一番の思い出は、
クロスタータの名人のロザンナが、
私が日本に帰国するときに、
「おみやげに」と持たせてくれた、
直径30cmの巨大クロスタータです。
大きな上に、彼女のクロスタータは、
生地が厚いので、ずっしりと重く、
その上それを5、6枚も用意してくれたので、
うれしさと重さが比例している、
と笑ったものでした。
さて、今回ご紹介するのはこの年代物のジャムと、
できたてのいちごジャムを合わせて作った
クロスタータです。
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オリジナルはバター、ミルク、小麦粉を使いますが、
今回はバターのかわりに、
オリーブオイルとお米の粉を使って軽くしました。
どうぞ試してみてくださいね。
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クロスタータ(イタリアのタルト)
■材料(18cmのタルト型に使う分量)
小麦粉:150g
米粉:50g
オリーブオイル:大さじ 4
卵:1個
砂糖:60g
ベーキングパウダー:小さじ1
レモン:半分(皮のみ使用)
好みのジャム:100〜200cc
(今回は2種類を混ぜました)
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☆下準備
・型にバターを塗り、小麦粉をかけ、
余分な粉をはたいて、冷蔵庫に入れておく。
・レモンの皮をすりおろす
(白い部分が入ると苦くなるので注意)。
・他の材料は計っておく。
・直径18cmのタルト型と、ふるいを用意する。
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■作り方
(1)粉とベーキングパウダーを一緒にして、
ふるいで2回ふるう。
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(2)ボールに卵と砂糖を入れて、
砂糖がよく溶けるまで撹拌する。
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(3)オリーブオイルを入れる。
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(4)すりおろしたレモンの皮を入れる。
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(5)(4)がよく混ざるように撹拌する。
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(6)ふるいをかけた粉を一度に入れて、
ざっくりと混ぜる。
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(7)手でひとまとめにする。
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(8)生地はタルト台用とかざり用の2つに
ざっくり分けて、
(かざり用はタルト台の4分の1くらいの量で)、
ラップに包み、冷蔵庫で30分以上ねかす。
(ラップは後で、生地をのばす時にも使うので
大きめにカットする)
オーブンを180度にあたためる。
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(9)タルト台の生地を冷蔵庫から取り出し、
ラップを広げる。
めん棒に生地がつかないように、
ラップをもう1枚用意して、生地の上にのせる。
めん棒でラップの上から生地をのばす。
厚みは5mmくらい。
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(10)上側のラップをはずして裏返して、
タルトの型の上にのせる。
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(11)生地をしっかりと手で押さえ、型と密着させる。
生地が足りないところは生地をのばしたり、
あまっているところから取ってきて、
型のかたちに合わせる。
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(12)型からはみだした生地を切る。
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(13 )フォークで底に穴をあけ、
180度のオーブンで10分くらい焼く。
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(14)タルトの飾り用の生地を冷蔵庫から取り出し、
(9)のときと同じように、
上にもラップをかけてから、
めん棒で3mmくらいの厚さにのばす。
1cmくらいの幅の帯状に切る。
(パスタカッターで切ると、
ぎざぎざのリボン状になります。
お持ちでしたらお使いください)
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(15)オーブンから出したタルト台にジャムを入れる。
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(16)飾り用の生地を上に写真のように重ねて、
180度のオーブンで20分焼く。
(焼く時間は、オーブンによって違いがあります)
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出来上がりです
ジャムビスケットのような懐かしい味です。
ジャムの分量はお好みですが
私は甘みの少ないジャムをたっぷりと入れます。
甘いジャムがお好きな方は
ジャムを少なめにしてくださいね。
BUON APPETITO!
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