レシピその89
ヒイカとそら豆のショートパスタ
〜一時帰国。日本の料理教室にて〜 |
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今週は桜でにぎわう日本に帰ってきています。
「花冷え」のおかげで、桜も見ることができました。
日本語には「花曇り」「花散らし」などの
桜から生まれた言葉があります。
そういった言葉からも
自然を愛でる繊細な文化を感じます。
桜が見事に咲き、またたく間に散る、その時を楽しむ‥‥
まるで人生の縮図を楽しんでいるかのようです。
桜を見ながらおいしいものを食べて、
みんなで喜びを分かち合う「お花見」は、
人生を楽しむのが上手なイタリア人にも
負けない行事かもしれませんね。
おいしい物を作る、食べる、食べてもらう。
胃が大喜びすることにエネルギーを燃やすイタリア。
家族の喜びの顔を見るためにマンマはがんばります。
でも、今回帰国して、あらためて、
日本のお母さんたちも家族のためにはりきって、
おいしいものを作っているのだと感心しました。
今回の帰国では、イタリアンマンマの味を
日本の家庭でも気軽に作ってもらいたいと思い、
ミラノとロンドン在住後に日本に帰国して、
現在、料理教室をしている友人のレッスンに
おじゃましました。
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▲右にいるのが友人です。
この日の内容は
アンティパストは、
サルシッチャと春玉ねぎのトルティーヤ巻き。
プリモは、ヒイカとそら豆のショートパスタ。
セコンドは私が担当し、前回ここでご紹介した
チコリアの肉詰めにしました。
ドルチェは、レモンのトルタ
(イタリア語でケーキを意味します)です。
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▲サルシッチャと春玉ねぎのトルティーヤ巻きを
作っているところです。
日本の食材を使いながら、
現地の味に近づけたいという友人。
彼女の型にはまらない柔軟な探究心から
生み出される料理は驚くほどにイタリアンです。
イタリアでは身近な食品でも
日本では専門店に行かないと
手に入らないものひとつに
「サルシッチャ」があります。
私がご紹介しているメニューでも
よく使っているものですが
彼女は工夫を凝らして
身近な豚のひき肉から作ります。
彼女の作り方だと、
本当においしい「サルシッチャ」ができるのです。
この作り方は、後日あらためて書くことにしますね。
私は、「おいしいイタリアの家庭料理を
多くの人に食べてもらいたいの」という
マンマとしての意気込みでレッスンを行いました。
生徒さん全員が、家族のような温かさでした。
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▲「いただきまーす」
生徒さんが喜んでくれることに
喜びを感じる友人と私は、
それを見たいために、はりあいが生れます。
楽しみながらおいしいものを作り、
喜んで食べ、幸せを感じる。
このシンプルで基本的なことは
イタリアとか日本とかの国別の問題ではなく、
人が生きていくために大切なことのひとつなのだ、
とつくづく思いました。
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▲料理教室のみなさんと。
さて、今回のレッスンで作った料理の中から、
ぜひ試していただきたいメニューを
ご紹介いたしますね。
日本の春を感じる一品です。
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ヒイカとそら豆のショートパスタ
■材料(3〜4人分)
ヒイカ:250g
そら豆:100g
ミニトマト:100g
ショートパスタ:250g
オリーブオイル:大さじ4
ニンニク:ひとかけら
塩:適量
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☆下準備
・そら豆は、ふかすような気持ちでゆでる。
そら豆がひたるかひたらないかくらいの
少なめのお湯を用意し、少量の塩を入れ、
そこにそら豆を入れる。
鍋を動かしながら、
そら豆にまんべんなく湯がかかるようにして、
固めに仕上げる。
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・そら豆の皮をはずす。
・ヒイカは皮と内臓、軟骨をとり、掃除する。
・ミニトマトは細かく刻む。
・ニンニクは芯を取ってつぶす。
・パスタ用にお湯をわかし、塩を入れておく。
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■作り方
(1)ショートパスタをゆではじめる。
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(2)フライパンにニンニクと
オリーブオイルを入れ、火にかける。
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(3)ニンニクの香りが出たら、ヒイカを入れる。
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(4)そら豆を入れる。
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(5)ミニトマトを入れる。
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(6)ヒイカに火が通ったらソースの出来上がり。
(ここまで数分で出来上がります)
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(7)パスタはアルデンテより
少し固めになったところで取り出す。
(6)に入れて、具やソースと絡めて味をつけ、
アルデンテに仕上げる。
もし(6)のソースの水分が足りない場合は、
パスタの茹で汁を少し加える。
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出来上がりです。
このパスタはイタリアから持って来た
UFOとよばれる形のものですが
どんなショートパスタでもあいます。
今回は日本の食材を使い、日本で作ってみました。
日本のやさしい春を感じるパスタです。
かんたんにできますので、ぜひ試してくださいね。
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