「ほぼ日」にとって、中村義洋さんといえば、
『アヒルと鴨のコインロッカー』を撮った監督です。
糸井重里に「これ、おもしろいよぉ」とすすめられ、
何名かの乗組員で感激した様子は
「われら、ほぼ日感激団。」でご覧いただけますので、
未読のかたはぜひお読みくださいませ。
あ、でもしかし、ご注意を!
『アヒルと鴨のコインロッカー』を
まだご覧になっていないかたにとっては、
いわゆるネタバレになってしまうコンテンツですので、
DVDを観てから「感激団。」を読んでくださいね。
そんな中村監督の最新作が、
7月19日から劇場公開されています!
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(c)2008『ジャージの二人』製作委員会
脚本・監督:中村義洋
原作:長嶋有「ジャージの二人」(集英社刊)
主題歌:HALCALI「伝説の2人」(フォーライフ ミュージックエンタテイメント)
出演:堺雅人 鮎川誠(シーナ&ロケッツ)
水野美紀 田中あさみ ダンカン 大楠道代
7月19日より、
恵比寿ガーデンシネマ、角川シネマ新宿、
銀座テアトルシネマ、他にて
全国順次ロードショー!
作品のついての詳しくは
『ジャージの二人』公式ホームページでどうぞ!
さあ、いかがでしょう?!
主演は「ほぼ日」とご縁が深い、堺雅人さんですよ!
堺さんには以前ここでも、
「酩酊状態で読む5冊」というテーマで
興味深い本をご紹介いただきました。
この映画では、堺さん、
シーナ&ロケッツ・鮎川誠さんの
息子の役を演じられているとか。
そして、主題歌を歌うHALCALIのおふたりには、
「谷川俊太郎質問箱」にご登場いただいています。
ジャージ姿で並ぶ、
父と息子のこの写真だけでも、
ある種のインパクトを感じますよね。
いったいどんなお話なんでしょう?
見どころをふくめて監督にお話をうかがってみました。
やはり『アヒルと鴨のコインロッカー』みたいな‥‥?
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「あの映画(アヒルと鴨のコインロッカー)とは、
まったく逆の作品なんです。
はっきり答えが出るというよりは、
足りない部分をお客さんに想像してもらうような。
長嶋有さんの小説が原作なんですけど、
あまり何も起こらない話なんです。
会社を辞めた32歳の息子と、カメラマンの父が、
北軽井沢の別荘で、流れる時間にただ身をゆだねている。
ふたりとも、なぜか古着のジャージ姿で(笑)。
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(c)2008『ジャージの二人』製作委員会
ふたりともそれぞれ抱える悩みはあるんですけど、
そういう大事なことを、
この親子は語り合ったりはしないんです。
でもここちよい関係にあるという、
そのリアルな距離感を描ければと思いました。
原作の小説も、そういう微妙な心のさざ波や、
余韻が魅力だったので。
『アヒルと鴨』を撮ったあと、
この作品はもうできないと思ったんです。
とにかく『アヒルと鴨』のときは、
きもちが熱くなってたんで。
あれは熱くないと撮れない映画でした。
何カ月かして、きもちがやっと冷めてきて、
あらためてこの脚本を読んで、
「ああ、やっぱり面白いよな」と思えたんです。
堺雅人さんは、ほんとうに上手い俳優さんでしたね。
やってもらう前からハマる役だろうとは思ってましたが、
考えていた以上に揺るぎのない演技でした。
すごく助かりましたよ。
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(c)2008『ジャージの二人』製作委員会
父親役の鮎川誠さんは、
とにかくあの素材が、存在感がほしかったんですよ。
サービス精神が旺盛なかたなので、
最初はちょっと芝居が大きくなりがちだったんです。
「もっと抑えて、普通にただ、いていただければ」
とお願いしたら、こちらの意図をすぐ理解してもらえて、
それからは鮎川さん自身も、
「この親父は、ここではこうするのが自然だろう」
とやってくれるようになって、
それがまた素敵だったんで、うれしかったですねえ。
水野美紀さん、田中あさみさん、
ダンカンさん、大楠道代さん、
みなさんほんとに的確な芝居をしてくれました。
けっこう難易度の高いことを要求したはずなんですが、
どの役者さんものびのびと自然にやってくれて。
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(c)2008『ジャージの二人』製作委員会
この映画の見どころは、そうですねえ‥‥
見終わってから考えてほしい、ということですかね。
答えの半分をお客さんに渡している映画なんです。
あとは、
睡眠時間をたっぷり取ってから観てほしいと(笑)。
派手な事件が次々に、という感じではないので。
体調を万全にして、劇場へお越しください」
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