よい新年を!
(マンチーニとトラパットーニからのメッセージ)
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みなさんもご存知のように、UEFAチャンピオンズリーグで
ヨーロッパチャンピオンとなって挑んだトヨタカップで、
ACミランが勝利して世界を制覇しました。
その一方で、イタリアのカンピオナートにおいて、
記録をつぎつぎと塗り替えているのはインテルです。
ロベルト・マンチーニが監督するインテルは、
ただカンピオナートで勝っただけではありません。
まずもって連続勝利数17という、到達できるとは
だれも夢にも思っていなかった記録をうちたてました。
その結果、この1年間で負けの試合は
1回だけという快挙です。
そういうわけで、
イタリアと世界のそれぞれの場で勝利した2チームを、
ミラノの街は擁していることになりました。
一方のACミランが横浜で勝利し、
アンチェロッティ監督に幸せをもたらしたとなれば、
もう一方のインテルのロベルト・マンチーニ監督も、
日本の横浜での勝利を2008年の最重要な到達点に
かかげないわけには行かないでしょう。
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マンチーニの自宅にて。 |
ぼくは、そのマンチーニ監督を訪ねました。
彼の広い家はミラノ中心街の建物の中にあり、
エレガントで美意識の高いインテリアの居間で、
彼はぼくを迎えてくれました。
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彼は、ぼくが彼の大きな志についてなどを
「ほぼ日」に書いていると知っていますから、
親切にも読者のみなさんへ
「幸せな新年を!!」のメッセージをくれました。
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「日本語で書けなくて、ごめんなさい。
でも1年くらいしたら、
せめて自分の名前くらい
書けるようになるでしょう‥‥」
と言いながら。
日本は彼の「夢」でもありますから、
やさしく微笑みながらこう続けます。
「カンピオナートでは、僕らインテルが
一昨年も昨年も優勝しましたし、
今年もそうありたいと願います。
けれどさらに僕らの情熱をかきたてるのが
チャンピオンズリーグなんです。
ヨーロッパで一番になるためのチャンピオンズリーグが、
そして世界一になるための横浜が。
まさに、ぼくの友人であるアンチェロッティが、
最近なしとげたように‥‥」
さらに、マンチーニは続けます。
「日本という国を、僕はほんとうに好きなんです。
歴史も魅力的ですし、千年前の文化が
いろいろなところから見つけられるでしょう?
日本の文化は美しさの見本とも言われますね。
まさにイタリアのルネサンス時代のように。
日本は、より美しい調和をもとめて
すべてを新しくし続けるという意味で、
まさに永遠にルネサンス(生まれ変わる)的な
国なのでしょうね」
そしてサインをしながらこう言いました。
「次回のトヨタカップで横浜に行く事は難しいでしょう、
‥‥でもそれはぼくが育てる夢として残します」
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トラパットーニからのメッセージ。 |
もうひとりのイタリアサッカーのパーソナリティー、
アズーリの元監督のジョヴァンニ・トラパットーニは、
すでに日本通のひとりですが、
彼は日本を懐かしみながらメッセージをくれました。
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「2002年のW杯の経験は、
私の人生の中で最もすばらしいもののひとつです。
私が一番残念だったのは、
もちろん韓国に負けた事ですが、
W杯から敗退したことだけでなく、
緑と優しい丘にかこまれたトスカーナに良く似た景色に
沈むようにある仙台に、
もう少し残りたかったのを邪魔されたのは残念でした。
ぼくもこの機会に、日本の皆さんに
2008年の幸せのご挨拶を送ります」
マンチーニやトラパットーニとともに、
ぼくフランコ・ロッシも、
皆さんと皆さんの大切なかたがたに
良い新年がくることを願います。
ことしも、ご愛読、ありがとうございました。
また来年!
訳者のひとこと |
冒頭のサインがマンチーニのものです。
ちょっと判読しづらいですが
Per 1101.com
FELICE 2008
Mancini
「ほぼ日」さま
幸せな2008年を
マンチーニ
と、書かれています。
マンチーニさん、どうもありがとうございました!
さて、今年の更新はこれが最後です。
つぎの更新は1月15日の予定です。
わたくしからも、
みなさん、良い新年を!
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翻訳/イラスト=酒井うらら |
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