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フランコさんのイタリア通信。 |
モラッティ兄弟の夫人たちが、 ミラノ市長選に立候補! ジャンマルコ・モラッティと マッシモ・モラッティは、兄弟です。 それも、イタリアの金持ち中の金持ちな兄弟です。 ふたりとも石油業者であり、 イラン、クウェート、サウジアラビア、 イラクから買った原油を精製し、 つまりガソリンにして、 それを全ヨーロッパに販売しています。 彼らはそろって野心家です。 兄のジャンマルコはイタリア石油業者たちの会長であり、 いっぽうマッシモは、みなさんもご存じのように、 インテルのオーナーでもありますね。 ![]() このふたりは一緒に仕事をしています。 お互いを大切にし、信じあい、尊敬しあう 仲の良い兄弟です。 さて、問題は彼らが結婚した相手です。 夫人たちも、ふたりとも野心的で 脚光を浴びるのが大好きです。 ふたりとも政治家で、優秀で能力も有ります。 何が問題かって? 実は、ふたりともがミラノ市長選へ 候補者として名乗りをあげたライバルとなったのです。 それも‥‥半端なライバル同士ではありません。 ふたりの夫人は、政治姿勢のみならず、 洋服の着こなしから話し方まで、 全てにおいてライバルであり敵同士なのです。 ということで、きょうは、モラッティ・ファミリーの、 “妻たちの闘い”リポートをおとどけします。
![]() ジャンマルコの夫人はレティツィアといい、 教育庁大臣であり、 首相のシルヴィオ・ベルルスコーニの 重要な友人でもあり、つまり、 右派の政党に属しています。 レティツィア・モラッティについている シルヴィオ・ベルルスコーニ首相は メディア王でもありますから、 彼自身が何回もテレビで彼女を紹介し、 イタリアでもっとも工業的で 裕福なミラノの街の市民たちに、 彼らの市長には彼女を選ぶように進言しています。 ![]() レティツィア・モラッティが公的に話す時は、 ミラノの行政をどう行うつもりかを表明します。 イタリアのために良いと彼女が考えるのは ベルルスコーニの体制についていくことであり この街が中国人、アラブ人、その他の移民者たちの 手に渡らないようにするために、 ミラノ市民は彼女に投票すべきであること、 などを主張しています。 いっぽう、マッシモの夫人はミリーといい、 「緑の連盟」という政党に属し、左派であり、 彼女の友人や支持者には イタリア共産党の人たちもいます。 ミリー・モラッティは、 レティツィアとは全く逆のことを主張します。 ベルルスコーニはイタリアのために良くない、 彼と闘って彼を彼のテレビに追い返す必要がある、 などなど。 ミリー・モラッティは移民たちに 票をもとめているのです。 彼女が選ばれれば、アラブ人、中国人、南米人、 フィリピン人らに大きな権力を与えると言い、 彼女の写真に、イタリア語、スペイン語、 アラブ語、中国語の五ヵ国語で 文字を書いた巨大なポスターを作りました。 そのポスターのアイデアを出した 写真家のオリヴィエロ・トスカーニは、 ここ25年間に手がけた センセーショナルな画像の数々で、 イタリアを騒然とさせた超有名人ですから、 大変に費用がかかったと思います。 まあ、彼らには「お金」の心配は無用ですが。
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2006-01-31-TUE
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