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フランコさんのイタリア通信。 |
パヴェル・ネドヴェド、
今の彼は裕福に‥‥いや、 「大変に裕福に」暮らしていますけれど、 彼の過去は困難に満ちていたことでしょう。 でも彼がそれを嘆いたりしたことはありません。 そんなネドヴェドの心意気は、 パリで、その価値ある賞を受けた後の、 彼の言葉に言い尽くされています。 彼は、こう言いました。 「過去は大切です。 未来は過去の上に築かれるものですから」 彼は、3年前からユベントスに在籍していました。 その契約が終るのは2006年です。 2006年に、この契約が終ったら、 実は、彼はサッカーを離れるつもりだと言うのです。 まあ、今までサッカーに総てを捧げて来た彼にとって 若い頃からもっと 尊重したいと思っていた事もあるのでしょう。 では彼がもっと心を傾け、 楽しみたい事って、なんでしょうか? 何よりもまず、家族との時間です。 彼自身は、インタビューで、 こんなふうに語っています。 「スカルナの丘の上に、家が2軒あります。 ひとつは僕と家族の家で、もう1軒は、 僕の妹とその家族のためのものです。 2年後には、僕はサッカーを離れる。 ユベントス以外のチームへ行く事は 考えていません。 だって、このバロンドールをもらえたのも ユーベのお陰ですから。 この賞は、過去には、チェコスロバキアの 国民的英雄だった偉大な選手、 マソプストにも与えられています。(1962年) そんな賞を、僕がもらえるなんて、 本当に嬉しく思っています」 ![]() 彼は今はトリノで素晴らしい豪邸に暮らしています。 奥さんのイヴァーナと、 ふたりの子供たちと一緒に、幸せにね。 子供たちはパヴェルとイヴァーナといいます。 両親の名前をそのまま受けついだ名前です。 ネドヴェドはディスコで夜遊びなんかしません。 生まれながらに優秀ではあったでしょうが、 驚異的にサッカー向きな才能を、 生まれながらに授かっているわけではない彼。 今の「最優秀」にたどり着くには、 たいへんな努力をしています。 練習につぐ練習で流した汗は、 毎シーズンごとにちゃんとした成果となり、 試合の結果として残してきました。 そうして勝ち取ったのが、チャンピオンの印の バロンドールだったのです。 彼は、近年にこの賞を受けた選手たちを 賞賛しています。 「過去の受賞者のリストには、 ジダン、リバウド、ロナウドと、 典型的なサッカーの天才たちが 名前を列ねています。 これを見ると、僕には震えが走るほどです。 彼らは生まれながらに階級を超えているけど、 僕は、そうじゃありませんから。 でも、今は、僕もこの賞に値するんだと 信じています」 バロンドール。そうです、それは 優れたテクニックだけに与えられるのではありません。 サッカーを、安易に単なる娯楽スポーツとするのではなく、 何かもっとそれ以上のものである事を表現をするために、 選手が払う「自己犠牲」に与えられる賞だと、 僕は思うのです。 つまり、 サッカーに対する意欲が重ねさせる努力に 与えられる賞だ、と。 だから、チャンピオンに生まれつかなかったとしても、 チャンピオンになれるんです。 希望を持っていれば、いいんです。 決して希望を捨てず、 全身全霊で努力を重ねたパヴェル・ネドヴェドが、 ここに居ます。
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2003-12-29-MON
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