第208回
ラダックへ!
(リズンと買ったタンカ、
砂マンダラ、さらばラダック)
ほぼにちは。
ミッセイです。
(ラダックでの紀行文を続けます。)
僕の高山病の症状も、
1日で収まったので、
今回のガイド役の、
ダラムサラのお坊さん、
リズンとおみやげのタンカを探しに行きました。
タンカというのは、
掛け軸になった宗教画のことで、
仏やマンダラが描かれています。
栄福寺の人達に、
「おみやげ、なにがいい?」
と出発前に聞いたら、
「仏画!」
ということだったので、
リズンに知ってる店に連れて行って欲しい、
と頼んであったのです。
僕ひとりだと、
ぼったくられるかもしれないからね。
というわけで、
二人でラダックの中心街の店を何軒か回って、
リズンに、
「どう思う?」
と相談しながら、
二枚のタンカを手に入れました。
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この2枚を栄福寺の家族の人達は、
予想以上に喜んでくれ、
今、栄福寺の応接間に掛けられています。
本当は、
マンダラのタンカを僕が欲しかったことを、
知っていたリズンは次の朝に、
マンダラのステッカーをプレゼントしてくれました。
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それから、
ラダックのお寺で見る千手観音が、
ちょっと独特でおばあちゃんが好きそうだったので、
(ありがたくて、品があって、派手、
という感じが好きなんだと思う。
これは多くの年輩の人がそうかもなぁ。)
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手描きの軸装をしていない仏画を、
おばあちゃんのおみやげにしました。
これは現在、
栄福寺の玄関に飾られています。
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それからみんなで行った、
政府系のショップであるエンポリアムで、
カーラチャクラのタンカを買いました。
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日本の僕達から見ると、
見慣れない合体仏ですが、
ダライラマの伝授の写真などを見ても、
この種類のタンカが大きく掛けられています。
旅のちょっとした記念になると思って
入手しました。
日本で買うと結構、高いみたいですしね。
(これを言い出すときりがないのだけれど。)
仏画のほとんどは、
どうやらラダックで制作された物では
ないようですけれど。
(チベットやブータンと言っていた。)
それから、
音のでる小さな仏器を買いました。
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全然買うつもりはなかったのですが、
ショウケースから出してもらって、
音を聞かせてもらうと、
あまりにも澄んだ音がして、
驚いたので買うことにしたんです。
同行の人達も驚いて、
同じタイプの物を買おうとしたのですが、
澄んだ音が出るのは、
僕が買った物だけでした。
(ちなみにこれは6ドルでした。)
「儀式に使うのですか?」
と聞くと、
「ノー、メディテーション(瞑想)に使うんだよ。」
ということでした。
この音を聞くと、
それもなんとなくうなずけるなぁ。
タンカも瞑想の手助けとして、
本来、使う物のようです。
考えてみたら、
日本の仏像とかもそうなのかもね。
この仏器は、
すごく音が気に入ったので、
一度、栄福寺で法事の時にお墓でも使いました。
お買い物だけでなく、
もちろんお寺参りも続いています。
あるお寺のお堂の中で、
お坊さんが集まって、
なにかをしている様子です。
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よくみてみると、
「砂マンダラ」を作っているようです。
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この砂マンダラは、
作ること自体が修行で、
作ったマンダラはすぐに壊してしまう、
という話を聞いたことがあります。
「空」を確信している立場からすれば、
当然なんだろうけれどね。
この作業(修行)には、
かわいいお坊さんも参加していました。
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そして、
羊の頭の魔除けに守られたゴンカンという、
怒りや生命のパワーに満ちたお堂の中にも、
いくつか入ることができました。
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僕の中にも、
世界の中にも、
しっかりと存在する荒れ狂ったなにか。
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それが、
打ち砕く物なのか、
見つめる物なのか、
僕にはよくわからないけれど、
ここに形づけられた、
感情や心の様子は、
「誰かの物」
ではなくて、
「僕達の様子」
なのだと僕は思いました。
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ヒマラヤの雪山を遠くに頂く
ラダックの街を離れる日も近づいてきました。
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世界には、
こんな場所もあるのだなぁ。
形は違えど、
仏はここにもいた。
そして、
この青い空の砂漠の街に、
築き上げられた唐突にも思えるような、
数々のお寺。
そこを生きる人々。
たくさんの縁を集めて、
お坊さんとしての人生を送っている人達。
さらば、
ラダック!
世界にいろんな人達がいることが、
うれしかったよ!
ところで、
「私もラダックに行きたいかも!」
と思った女性達に少しアドバイス。
ほとんどの外のトイレはこんな感じなので、
勇気と覚悟が少し必要です。
(囲いはありますよ。)
ラダックを後にした僕達は、
仏教第四結集の街、
インドのスリナガルに向かいます。
ミッセイ
(続きます。)
お知らせ。 |
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現在9月号発売中の
女性誌「SAVVY(エルマガジン)」
四国遍路特集をしています。
僕も冒頭の1ページで、
四国遍路や弘法大師について、
インタビューを受けています。
(ほぼ日を読んでいる
編集者の方から連絡がありました。)
この雑誌は京都に行く時に、
買ったことがあった雑誌だったので、
うれしかったです。
四国遍路に興味のある食いしん坊の方は、
特におすすめです。 |
講談社から刊行中の雑誌、
『週刊 四国88カ所 遍路の旅』で、
栄福寺掲載号の20号が発売になっています。
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55番の南光坊さん、
56番の泰山寺さんと共に、
57番、栄福寺の境内や仏様、
咲いている花なんかを写真でも、
見ることができますよ!
僕も、
「月を見ていると、
照らされた光も光だと思う。」
というような、
短い文章を寄せています。
なお、
この号の巻頭インタビューは、
建築家の安藤忠雄さんです。
夕日に照らされた、
瀬戸内海としまなみ海道の、
表紙が目印なので、
興味がある方は、
のぞいてみてくださいね。 |
四国88カ所のお寺が88枚の切手になります。
原画の撮影は「坊さん」の文章の中でも、
何度か登場した三好和義さんです。
栄福寺は11月5日発売の第一集、
20ヶ寺の中に収録されます。
(紅葉が綺麗な秋の風景)
全国の郵便局でも、
通信販売の申し込みが出来るようですよ。
詳しくは、こちらまで。 |
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