第207回
ラダックへ!
(ラダックの病院へ、ゴンパ巡り、パルダンさん)
ほぼにちは。
ミッセイです。
青い空の町、
ラダックでの紀行を続けます。
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ラダックを訪問しての数日間、
心配していた高山病の兆候は全くなく、
すこし気を緩めた時に、
やって来ました、高山病!
前日の夜から、
すこし風邪っぽい体調だったんですが、
翌日の朝、
食欲がまったくない、
体が動かない、
ということで、
体温を計ろうと思ったんですが、
関空で買った体温計が、
故障したので、
現地のガイドに、
「体温計を持ってませんか?」
と聞くと、
「ここにはない。病院にはある。行こう。
車に乗れ。」
と言われ、
はからずもラダックの病院に行くことになりました。
診察してもらうつもりは全くなかったのですが、
病院に着くと当然のように、
スーツを着たお医者さんが、
血圧と脈を計った後、診察してくれました。
僕はどうしても、
「たぶん〜」という英語の単語が出てこずに、
自分の病状を説明するのがすごく難しかったです。
(説明もなにもほとんど英語を話せないんだけど、
“たぶん”があの時、欲しかったなぁ。)
意外な言葉が必要になるんですね、こういう時って。
最後に薬をくれて、
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「オーケー、ノープロブレムだ。グッバイ!」
ということなので、
手を額に当てて、
「熱を測ってよ!。」
とゼスチャーで伝えると、
お医者さんも同じように、
僕の額に手を当てて、
「ノープロブレム。」
と静かに言いました。
しかし、
申し訳ないけれど
自信がないので
もらった薬は飲まずに、
日本から持参した薬を飲みました。
「今日は、ホテルでゆっくりしてます。」
と宣言して、
部屋でゆっくりしていたのですが、
朝食のスープで少しからだが暖まると、
体調が回復してきたと感じたので、
「すいません。やっぱり行きます。」
とゴンパ(お寺)巡りに、
同行しました。
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必死のポーズが痛々しいミッセイ
でも、
体を動かすと息が切れて、
動けなくなることも多く、
みんながお寺にいる間、
車の中で横になっていることもありました。
結局、
1日で完全にこの症状は回復したのですが、
このまま回復するのか、
どんどん悪くなるのか、
想像できなかったこの日はかなり不安でした。
そして、
自分の意志で体を思うように、
動かせないということは、
こんなにも辛いことなのか、
とある意味ちょっと愕然としました。
そして、
自分の近くにいる病人や老人のことを考えたりしました。
僕達も、
必ずそこを通るのだなぁ、とか考えながら。
訪れるゴンパの多くは、
厳しい自然の崖に作られています。
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そして、
お寺に入る前に、
「マニ車」を
真言を唱えながらグルグルとまわします。
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このマニ車は、
町のいたる所に存在していて、
子供達の格好の遊び場、集会所にもなっているようです。
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いくつかの寺院には、
学校も併設されていて、
たくさんの少年僧が学んでいます。
聞いた話ですので、
本当かどうかは僕にはわからないけれど、
この地域の孤児院としての機能も、
お寺にはあるということでした。
ちょうどこの時は、
白人のバックパッカーが大道芸を、
子供達に披露していました。
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みんな、
はちきれんばかりの笑顔で喜んでいます。
そして、
寺の内部では、
自分たちの僧服や仏像を、
自分たちの手で作っているお寺もありました。
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器用なお坊さん達の、
作業を眺めながら、
「僕達はどうやら
ここでは、お坊さんになれませんねー。」
と同行のお坊さん達と、
笑い合いました。
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僕は現在のチベットに行ったことがないのですが、
ラダックのお寺が、
チベットよりもチベットらしいと言えるところは、
ほとんどのお寺で
ダライラマの写真を掲げている所です。
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政治的な理由で、
チベットではダライラマの写真は、
ほとんどのお寺にないということでした。
それと、
僕はラダックのホテルに滞在していて、
とても大きな笑顔に出会ったと感じています。
ラダックの学僧、
ツプテン・パルダン師です。
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彼は、
僕達に同行の松長先生がラダックの本を書いた時に、
高野山の先生の自宅に泊まり込みで、
作業を共にした、
ラダックでも指折りの学僧です。
先生は、
まさか今回の旅行で、
パルダンさんと会えるとは思っていませんでしたが、
万が一に備えて彼のための、
プレゼントを用意していました。
すると、
滞在のホテルが一緒だったんです。
そんな、
素敵な彼らの偶然を共に喜び、
食事の時や、
普段の生活の中で、
パルダンさんの見せる、
大きな大らかな雰囲気、笑顔を見て、
「いいなぁ。」
と心から思いました。
仏教って、
これをやるんだなぁ、って思ったよ。
恥ずかしながら
僕とはあまりに、
対極的な性格を感じながらも、
いいなぁ、と思わずにはいられませんでした。
彼は定期的に、
ラダックの子供達を集めて、
仏教の勉強会を開いているということでした。
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リゾン・ゴンパにいた子猫
ミッセイ
お知らせ。 |
講談社から刊行中の雑誌、
『週刊 四国88カ所 遍路の旅』で、
栄福寺掲載号の20号が発売になっています。
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55番の南光坊さん、
56番の泰山寺さんと共に、
57番、栄福寺の境内や仏様、
咲いている花なんかを写真でも、
見ることができますよ!
僕も、
「月を見ていると、
照らされた光も光だと思う。」
というような、
短い文章を寄せています。
なお、
この号の巻頭インタビューは、
建築家の安藤忠雄さんです。
夕日に照らされた、
瀬戸内海としまなみ海道の、
表紙が目印なので、
興味がある方は、
のぞいてみてくださいね。 |
四国88カ所のお寺が88枚の切手になります。
原画の撮影は「坊さん」の文章の中でも、
何度か登場した三好和義さんです。
栄福寺は11月5日発売の第一集、
20ヶ寺の中に収録されます。
(紅葉が綺麗な秋の風景)
全国の郵便局でも、
通信販売の申し込みが出来るようですよ。
詳しくは、こちらまで。 |
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