アジオ&アジコ |
博士こんにちは! |
博士 |
やあ、ふたりとも待ってたよ! |
アジオ |
いよいよですね。博士! |
博士 |
いよいよだね。諸君! |
アジコ |
やっと今週から、全国より寄せられた
皆さんの味写作品を発表出来るのね! |
アジオ |
ボクなんか興奮して、
昨夜は一睡も出来なかったよ。 |
アジコ |
あら、私もよ。
今日のことを考えると目が冴えちゃって
全然眠れなかったわ。 |
博士 |
実は私もここ一週間、緊張と不安で
まともな睡眠をとってないんだ‥‥
こんな経験は
大学のバリケードの中で過ごしたあの‥‥ |
アジオ |
そんな話より早く見せてくださいよ!
博士! |
博士 |
‥‥レインボーブリッジ封鎖できません‥‥
ムニャムニャ‥‥ |
アジコ |
なに寝言、言ってんのよ! |
博士 |
‥‥‥‥兄ちゃん、なんでホタル
すぐ死んでしまうん? |
アジオ |
コラ! 起きんかい! |
博士 |
‥‥‥‥ハッ!いかんいかん。
睡眠不足でついウトウトしてしまったよ。
しかしおかしな夢だったなあ。 |
アジオ |
学生運動と踊る大捜査線と
火垂るの墓が混ざった? |
博士 |
アレ? なんで分かったの? |
アジコ |
もう!
なんでこんな大事なときに
夢の豪華三本立てなのよ! |
博士 |
いやあ、ごめんごめん。
昔から肝心なときに限って
下痢か睡魔に襲われる体質なんだよね。
オホン! では発表します!
記念すべき第1発目は
ハンドルネーム・ところてんさんからの作品です! |
アジオ |
いきなり涙なしでは語れない
作品が届きましたね‥‥ |
アジコ |
ええ‥‥
この背中‥‥Tシャツの淡いブルーが
涙色に見えるほど‥‥ |
博士 |
お便りでは息子の誕生日に手巻き寿司をした際、
おばあちゃんがお茶をこぼして
拭いているところらしいけど、
どう見ても平成版おしんだよね。 |
アジオ |
驚いちゃった。
現在の日本にまだこんな
非人道的な雇用制度が存在してるのかって。 |
アジコ |
ホント。
このおばあちゃんが幼い頃奉公に出されて
いまに至るまでの物語、
わたし勝手に考えちゃったもの。 |
アジオ |
こどもたちの雰囲気もドラマを引き立てるね。
この栄養の行き届いた感じは
どうみても地主の息子だもの。 |
アジコ |
それにおばあちゃんのこと、完全無視だものね。
まあ、偶然にもそういう風に見えちゃうのが
味写の恐いところだけど。 |
博士 |
そうだね。
味写は常にフィクションとして見るということは
とても大切なことなんだ。
特にこうしてよそから頂いた作品を
鑑賞するときはね。 |
アジコ |
それにしても、このときのおばあちゃん、
どんな気持ちだったのかしら? |
アジオ |
表情がテーブルクロスに隠れて
読み取れないところが
逆に想像力を掻き立てるよ。 |
アジコ |
しかも口元を見ると
微かに笑ってるようにも見えるものね。 |
博士 |
これは照れ隠しの笑いというよりも、
もっと違うなにかを感じるね。 |
アジオ |
うん。
なにかこう、もっと不吉な予感のする‥‥ |
博士 |
おっと、これ以上立ち入るのは
よしておこうかな。
いくら味写とはいえ、
楽しい手巻き寿司の思い出を
サイコホラーにしてしまっては
ところてんさんに申し訳ないかならね。
それにしても一発目から
ずいぶんレベルの高い作品が届いたね。
ではこの調子でもう一枚紹介しよう! |
アジコ |
次は岐阜県の
ハンドルネーム・まめかなさんからの
作品です!
|