
タッタッタッ‥‥。

タッタッタッタッタッ‥‥。

「針生さん!」

タッタッタッ‥‥。

ウィーン‥‥キュッ‥‥。

タッタッタッ‥‥。

カチ、カチ、カチ‥‥。

「‥‥はやく来い、はやく!」

「‥‥ああ、もう!」

バッ!

ダダダッ!

タンッ、タンッ、タンッ‥‥。

キュキュキュッ!

「は、針生さんっ、待って!」

「ついてこないでよ! もう!」

「何度言えばわかるの!」

ダダダッ!

バッ!

「ふーーーー!」

「針生さん!」

「針生さんってば!!」

「あなたでしょう? AB型じゃないのは?」
「違うって、ほんとに、ぼくじゃないって!」

「いや、あなたですよ。AB型じゃないのは」
「‥‥しっつこいなぁ!」

「あ! そうだ!」

「ぼく、こないだね‥‥」

「たしかここに‥‥」

「ぼくね、こないだ‥‥」

「献血したんですよ」

「ほら、献血カード。これ見れば、わかるよ」
「‥‥‥‥え!」

「見てよ、ちゃんと書いてあるでしょ?」
「‥‥ああああ! ハリウタケシAB型!」

「ほらね! これで証明されたでしょ?」
「つまり、あなたは‥‥」

「間違いなくAB型だ!」
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