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前回、 「南極中のどこの基地でも開かれるお祭りに向け、 外は暗くても着々と準備が進んでいます」 と書かれていたお祭りの様子が届きました!
6月21日は夏至。 南半球にある南極は逆に冬至で、 一年のうち夜が一番長い季節です。 そして約一か月半、太陽が顔を出さない極夜は 極地の特徴的なことでしょう。 今日はこの極夜のお話。 はじめに一日の明るさから。 朝9時はまだ真っ暗。 10時頃からだんだん明るくなり始め、 正午には、太陽はあのあたりだなあ、 とわかる薄暮です。 ちょうど昼食のときが一番明るく、 窓から外を眺めながら 「朝焼けなんだろうか?」と誰かが言うと 「さーて? でも12時を回ったから夕焼けだね」 なるほど。 ただ13時には夕焼けもおしまい。 14時にはもう星が瞬きはじめます。 一日中こんな様子ですから、 どうしても建物の中の生活になり、 心なしか憂鬱にもなりがちです。 そこでそんな気分を一新しようと、 冬至をはさんだ数日間、 南極にある全ての基地で ミッドウィンター祭が開かれます。 ![]() ミッドウィンター開幕です。 南極に来て半年が過ぎ、 ちょうど折り返し点。 ここまでお疲れさま、 そしてあと半年無事に観測ができるように この辺で一息入れよう、と南極はお祭り一色。 日本で過ごす元隊員や 各国の基地から"Happy midwinter"と グリーティングカードが届き、 広大な地に同じように 暮らす人がいることを思います。 もちろん昭和基地もお祭りです。 ![]() 氷のグラスで乾杯! でも注いだお酒はどんどん凍り、 日本酒シャーベットの完成です。 ちなみに氷製コップの作り方は コップに水を入れて外に放置し、 芯まで凍らないうちに中の水を抜きます。 すると外側だけ残って完成です。 朝はゆっくり起きて 薄明るい時間にパークゴルフや 綱引きといったスポーツ大会、 夜には居住棟対抗の娯楽大会、 そしてオーロラを眺めながらの露天風呂。 前夜祭に始まり本祭、 そしてフィナーレと楽しみました。 観測隊の結成はほぼ一年前。 なんとなく人となりがわかってきましたが、 こんな芸を持っていたのか、 と新たな発見もまた楽しいものです。 赤の他人だった隊員が 赤い色が抜けてだんだん 色がなくなると言いましょうか、 より深い信頼関係が築かれることも このお祭りの大きな意味でもあるでしょう。 ![]() 建物の後ろに強風でできた ドリフト(雪の吹き溜まり)を掘ったカマクラ。 外はー20度C。中はー5度C程度。 ずいぶん暖かく感じます。 お正月が明るい南極は 建設作業や観測準備など稼ぎ時です。 冬至は南極のお正月。 ここらで一休みしてあと半年、 新たな気持ちで観測が続きます。 21日の平均気温は−24.1℃。 最大風速2.1m/s。穏やかな冬至。 南極観測隊 斎藤健 ************************* 南極で暮らしはじめて、 もう6か月が過ぎたんですね。 気象条件としては 過酷に思える場所ですが、 そこに暮らす人々同士、 いろいろと工夫を重ねて その場、その時間を楽しんでいる様子が 伝わってきませんか? 南極生活の後半戦を さらに楽しくのりきるためにも、 斎藤さんにぜひ感想や激励を 送ってくださいませ。 件名を「南極観測隊斎藤さんへ」として postman@1101.comにて お待ちしてます! 南極観測について、 さらに知りたいという方は こちらの「極地研究所」のホームページも ぜひご覧ください。 |
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