![]() |
![]() |
|
|||||||
![]() |
![]() |
![]() |
|||||
冬に向かっている南極では 日に日に日照時間が短くなっているようです。 そして長い夜の空にあらわれる美しいものは‥‥
5月になり昭和基地は夜の時間が長くなってきました。 日の出はおおよそ10時、 日の入りは14時半ころ。 太陽が出ている時間は 一日10分くらいずつ短くなり、 高度は握りこぶしひとつ分くらいの高さで 地平線に沿って移動しています。 まるで一日中、夕日ですね。 ![]() 5月14日午前9時50分。低い太陽です。 なんとなく寂しい情景にも感じられますが、 これからはいよいよ本格的なオーロラの季節です。 赤や紫、青、緑、 色とりどりのオーロラが、 カーテンのようになったり、 火炎のようになったり、 大きな弧を描いたり、 形も大きさも変えながら南極の真っ暗な空に舞います。 いろんな色の絵の具を水にいっぺんに溶いたような‥‥、 それとも色とりどりの羽衣を空の端と端でつないで、 「せいの!」とバタバタとはためかせるような感じです。 ![]() オーロラ。 地上の円い建物はレドームといい、 なかに人工衛星受信のパラボラアンテナが入ってます。 ところでオーロラっていったい何でしょう? 地球上で見えるところは北極圏と南極圏。 南半球は今私たちが観測している南極。 北半球ですとアラスカやフィンランドが有名です。 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、 北海道の陸別町というところでは、 地平線が淡い赤色に色づく 低緯度オーロラが観測されています。 オーロラが発光する高さは100kmくらいのところ。 このあたりにはまだ酸素、水素、窒素などの 分子原子の気体があります。 ここに大気圏外から高速の荷電電子が飛び込んできて、 分子原子にぶつかると発光するのです。 これを高電圧の真空放電といいます。 色はその種類によって それぞれ特徴のある色に発光します。 ということはオーロラの色を見て、 そこにどんな気体があるかわかるのですね。 この仕組みは皆さんよく目にするネオンサインと同じ。 ネオン管の中は真空。 スイッチを入れると 電子とか陽子の流れが中に入っている ネオンガスに高速でぶつかって発光するのです。 遠くからやってきた荷電粒子の流れは 地球磁場の関係から極地方により多く流れ込みます。 流れ込むところは 北極と南極の緯度70度くらいのところ。 宇宙から見るとドーナツの輪が浮いているように見え、 昭和基地はちょうどその輪の真下にあります。 ![]() オーロラです。 50年前、 やや遅れて南極観測に参加した日本に認められた地は、 どこの国も興味を示さない 夏でも氷に閉ざされた前人未到の地でした。 ところがオーロラ観測にはとても条件のよい観測地。 今では昭和基地あってのオーロラ観測です。 懐かしいなあ、夜のネオンサイン。 では今夜もワクワクする宇宙のネオンサインを見に行ってきます。 おしまいに一枚の写真。 ![]() さてなんでしょう? 次回はこのお話。 2006年5月14日、 風速1m/s前後。ほとんど無風。 最低気温、−20.7℃。 昨夜、南極には珍しくしんしんと雪が降り、 朝はきれいな雪景色でした。 南極観測隊 斎藤健 ************************* うわーー、オーロラきれい! 人口のネオンと仕組みが一緒でも きっと実物は まったく違う迫力を放っているんでしょうね。 と、のんびり思っていたら‥‥ 最後の写真は いったい何でしょう? 斎藤さんへ感想や質問に加えて おしまいの写真はなにか! とひらめいた方は 件名を「南極観測隊斎藤さんへ」として postman@1101.comまで ぜひメールにてお寄せください。 斎藤さんも メールをとっても楽しみに 読んでくださっています! 南極観測について、 さらに知りたいという方は こちらの「極地研究所」のホームページも ぜひご覧ください。 |
|||||||
![]() |
|||||||
![]() |
|||||||
|
©2005 HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN All rights reserved. |