文字版「おしゃれとセンスはゲイに学べ!」
を学んでいる人に学べ!
VOL.2

ほぼにちは!
ほぼ日新人乗組員のサトウ(女)です。
「新宿二丁目のほがらかな人々」の合い言葉は
「おしゃれとセンスはゲイに学べ!」
ということで、わたしもちょっとレポートを
書かせていただいております。
ゲイとは切っても切れないファッション業界。
そこで働く女性たちに
いろいろとお話を伺ってきましたよ。
第2回目は、ファッション誌の編集者、
佐藤さんの登場です!


● 佐藤さんは、
ファッション誌の編集者ということで、
もちろんお仕事関係でもゲイの方との
おつきあいがあると思いますが、
ご家族にもいらっしゃるんですよね?
● はい。兄がゲイなんです。
● お兄さんがゲイだということに
気づいたのはいつですか?
● 私が中学生で、兄が高校生だった頃かな。
でも、その時はちゃんと彼女もいたから
別に気にしていませんでした。
しばらくして、私が高校生になったある日、
兄はすでに家を出ていたんですけど、
母が電話口で兄と話している声が
聞こえてきたんです。
「●●ちゃん(佐藤さんのこと)には
  言っちゃダメよ」
って母が言っているの。
私は
「なになに?

 聞こえているんですけど」みたいな。
でも、なんとなくピンときて
「知ってるもん!」って言ったら
「知らなくてもいいことがあるのよ!!」って、
すっごく怒られてびっくりしましたね。
● お兄さんがカミングアウトした時、
佐藤さんはどう思いましたか?
● 抵抗なく受け入れられました。
その時つき合っていた彼が
ステキだったからっていうのもあったかな。
女性から見ても憧れちゃうような、
インテリジェンスがあり
かっこいい外国人だったんですもん。
● ご家族の反応はどうでしたか?
● 父は、最初からゲイであることを
認めようとしていましたね。
認めなきゃやり切れない
っていうこともあったと思うけど、
自分の子どもを

否定することはしたくない
って。
母は、大切に育ててきたから、
その分ショックが大きかったみたいでした。
しばらく呆然としていたんですけど、
父がゲイの本を買ってきて、
家族みんなでゲイについて知ろうとしましたよ。
●

とても前向きなご家族ですね。
お兄さんはおうち
に
彼をつれて遊びに来たりするんですか?

● 来たこともありましたね。
あと、日本人をよく知っている
外国人の方がいらした時は、
菓子折りを持って来たりしましたよ。
「つまらないものですが」と言って。
● あはははは。
おうちに菓子折りを持ってくるって、
よく考えるとすごいですね。
ところで、お兄さんがカミングアウトした
キッカケってなんでしょう?
● 先に言っちゃったほうが
ラクだからじゃないでしょうか。
ある年齢になってくると、
近所の人から「ご結婚は?」とか聞かれたりして、
隠し通せるものでもないし。
それに別に悪いことを
しているわけではないでしょう?
● お兄さんがゲイに目覚める要素や徴候は
生活の中にあったと思いますか?
●

昔から異常にきれい好きでしたね。
兄はシンプルなものがすきなので、
私がレターセットとかシールを集めているのも
すごい、いやがられましたよ。
「君の部屋は無駄なものだらけ」って。

● きっと他人に対しても
「こうあってほしい」という

美意識があるんでしょうね。
● きっとそうです。
そういえば、
私は床に座るのが好きなんですが、
「床に座るからスタイルが悪くなるのよ!」
と言われたこともありました。
それと、一緒にお買い物に行くと
「離れて歩いて」って言うんですよ。
● えー、なんでですか?
女の子と歩きたくないということでしょうか?
● 違うんです。
「もっとかわいくなってね」って
いう意味ですかね 。(笑)
● ひえー、きびしいですね。
洋服なんかについてもそうですか?
● 私は黒い服が好きでよく着るんですが、そうすると
「Xのファンじゃないんだから、
 そんなのやめて!」って。
● やっぱり「シンプル」ということが
キーワードのようですね。
日本人と外国人のゲイ、なにか違いは感じますか?
● 外国のゲイはゲイであることを恥じていないし、
周りも認めていますよね。
ゲイ本人より、
周囲の反応のほうに違いを感じます。
まだ、母がゲイを理解しきれていなかったころ、
一緒にサンフランシスコに行ったことがあるんです。
むこうはゲイもたくさんいるので、
一般の人たちも彼らを
「人間」としてちゃんと扱っている。
母もそれを自分で体験して、
一気に理解できたみたいです。
「かっこいい人みんなゲイなのね。あら〜」なんて、
変な安心感も持っちゃったみたいですけど。
そういう意味では、
日本はまだまだ閉鎖的だと思います。
日本人のゲイは会社では言えない、
言わない方が楽、仕事がしやすいですよね。
それが唯一、OKなのがファッション業界、
そして「二丁目」という特殊な場所があるのかなぁ。
● ゲイの友だちと男女の友だち、違いはありますか?
● あるゲイの友だちがいるんですが、
彼は周りを歩く人を、
ことごとく否定するんです。
「もぉ、きたないわねぇ!」とか、
「くさいわ」、「下品!」って。
それと、洋服が気に入らないと
着替えに帰っちゃったりするの。
しかも突然。
それはすべて
「美」に妥協しないから
ですよね。
そういうのが私もわかっているから、
まったくいやじゃないんですよね。
ウソがないからラクチン。
そういう意味では同性よりつき合いやすいです。
● 最後に、家族にゲイを持つ身として、
なにか一言ありますか?
● 今の時代ならではの、
すてきなことだなって思います。
「そういう人もいるんだ」
って、理解してほしいですね。
彼らは本当にナイーブだから、
簡単に否定はしないでください。
私たちと、なんら変わりはないんですもん。

2003-04-28-MON

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